生きる!地域と
日本郵便と自治体との連携が進む中、近畿支社(小方憲治支社長)は10月15日、兵庫県(齋藤元彦知事)と包括連携協定を結んだ。齋藤知事は8月の就任後、10月に「公民連携プラットフォーム」を設置して地域課題の解決に本腰を入れており、日本郵政グループ中期経営計画「JPビジョン2025」の「共創プラットフォーム」とも共鳴する。締結式の模様や地域との連携施策を取材した。
兵庫県との「プラットフォーム」加速
43歳のフレッシュな齋藤知事は総務省出身。締結式では「県内836の郵便局に、約1万5000人の社員の方々がおられる。行政だけでは諸問題の解決が難しい時代の中、日本郵便さまの強みを生かして、ぜひご協力いただきたい」と言葉に力を込めた。
オンラインで出席した日本郵便の衣川和秀社長は「子ども・高齢者の見守り活動をはじめ、お互いにメリットのある取り組みを推進していきたい」と今後の連携強化に意欲を示した。
播磨北部地区連絡会加西部会
地域との連携施策では、播磨北部地区連絡会(長澤秀人統括局長/福崎八千種)加西部会(西村敬介部会長/富合)は、加西市と今年3月に包括連携協定を締結し、見守り活動を積極的に推進している。
加西部会は締結後、「みまもりタグを活用した地域みまもり事業」の協力を開始し、感知器を市内11局に設置した。「子ども110番」のノボリも全局に掲げ、安心の拠点となっている。
西村部会長は「市内全局は『高齢者等の見守り・SOSネットワーク事業』にも協力。3月から市のステッカーを郵便車両に貼って〝気球のまち〟をPRした。地域の役に立てる郵便局になりたい」と意気込みを見せる。
加西北条局の橋本勝司局長は「市のふるさと創造部人口増政策課と、毎月協議を重ねている。今後は観光等での連携施策も進めていきたい」と展望する。
丸型ポストフェスティバル2021
一方、かつて「摂津の国」としてつながりが深い尼崎・伊丹・川西の3市合同の「丸型ポストフェスティバル2021」(堺洋之実行委員長/伊丹桜ケ丘、3市など後援)が3月から10月にかけて催された。
コロナ禍で開催が危ぶまれたが、摂陽東地区連絡会(高橋良二統括局長/伊丹西野)と摂丹地区連絡会(川上昌彦統括局長/川西向陽台)が連携し、知恵を出し合ってネットとリアルの企画を推進。
「ゆるキャラのラジオ体操動画配信」「丸型ポストを巡るオリエンテーリング」「風景印帳の配布」「テーマソング『Cute!』の作成」「インスタグラム写真展」「基調講演」など、多彩な取り組みに驚く。
10月23日(尼崎城址公園)、24日(川西市役所前)にはメインイベントが行われ、近畿をはじめ全国から局長や郵政関係者が続々と足を運び、郵政創業150年、丸型ポスト120年に思いをはせた。
同イベントを中心的に進め、SNSを活用した絆を広げている川西久代局の黒山敦也局長は「数年前からフェイスブックで局長のグループを立ち上げ、形を変えながら夢の実現を応援し合ってきた。災害発生時に救援物資を送ったり、リアルな会合も開いたりした。全国で地域貢献に汗を流す仲間と今後も励まし合っていきたい」と頬をほころばせる。
堺実行委員長は「一人一人が自分の個性を発揮しながら、SNSを通して絆を結んだ方々と力を合わせて作り上げた。本当に素晴らしい機会に恵まれた」と感慨深げ。ネットとリアル双方向で切り開く郵便局の未来を、兵庫の地で垣間見た。