22年度予算案 柱はグリーンや地方創生
政府は8月30日、2022(令和4)年度予算案概算要求を発表した。重点施策は①グリーン②デジタル③地方活性化④子ども・子育て――の4点で、各省庁共に脱炭素やデジタル化の新規予算案が目立った。新型コロナ対策として地方創生も重きが置かれ、「地方創生推進交付金」は1200億円を要求。また、デジタルを日常に取り入れる強い意志が示された。総務省は地域課題解決に向けてデジタル技術と約2万4000局の郵便局ネットワークを活用する「郵便局等の公的地域基盤連携推進事業」を新たに提案、1億円を要求した。
「郵便局×デジタル」で地域課題解決
「郵便局等の公的地域基盤連携推進事業」を総務省は「実情等を見ながら今後決めていくことになるが、例えば、防災関連やマルチコピー機等の活用もあり得る」と説明。郵便局や自治体等が連携し、モデルケースを創出する(資料参照)。総務省はまた、22年度末までに原則全自治体でマイナンバーカードを用いて子育てや介護等のオンライン手続きが可能となるよう、自治体とマイナポータル接続を支援。マイナカード所持者のオンラインによる転出・転入手続きの時間短縮、ワンストップ化推進に89億9000万円を要求する。
「高齢者等に向けたデジタル活用支援の推進」にも25億円を求めた。民間企業や自治体等と連携し、オンライン行政手続きやサービスの利用方法を全国で展開する。「地域経済循環創造事業交付金」に10億円、「地域おこし協力隊の強化」は4億5000万円と前年度実績の2倍強を求めた。「過疎地域の持続的発展支援事業」に4億円、「過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業」は4億円を要求している。
「日本型郵便インフラシステムの海外展開」は15億3000万円、「万国郵便連合(UPU)への拠出金による国際協力の強化」には6億3000万円を要求し、災害に強く環境に優しい郵便局ネットワークを世界に普及させる。
内閣府は、自治体の移住・定住成功事例の横展開を目指し、新規で「地方移住窓口機能強化支援事業」に3000万円を求めたほか、新たに「DX地域活性化推進事業」に1億円を要求。「地方創生に向けたSDGs推進事業等」は前年度比2億円超上乗せした7億3000万円を要求した。
災害予防は10億8400万円を計上。項目の中に「防災・減災、国土強靭化新時代に向けて、防災教育促進や避難生活支援充実のための災害専門ボランティアの人材育成及び地域との連携体制構築推進」等も盛り込んだ。
国土交通省は、高齢化が進む過疎地の足を確保するバスやデマンドタクシーなど、地域の暮らしや産業に不可欠な交通サービス確保のための「地域公共交通サービス確保等に対する支援」に256億9700万円を要求した。