近畿地方会新会員研修

2024.07.12

 近畿地方郵便局長会(土田茂樹会長/全特副会長)は6月15日、TKPガーデンシティ大阪リバーサイドホテルで新会員研修を開催した。土田会長は「信頼を築くためには人間関係づくりと人としての振る舞いが大切だ。切磋琢磨し、地域の方々に貢献しよう」と呼びかけた。169人の新任局長が出席し、20チームでグループ討議も実施。司会を辻田忠広局長(茨木中穂積)が務めた。

信頼の礎は〝地域貢献〟から


土田茂樹会長(浜大津)

 局長会の一員になったことに自信と誇りを持っていただきたい。全特名古屋総会で、自民党の茂木敏充幹事長からも末武晃会長に「素晴らしい総会だ」とお声をいただいた。
 全特会歌にあるように局長会の素晴らしさは、地域は違えど、会則「地域社会の発展に寄与するとともに会員の勤務条件の向上を図る」の目的に向かって志を同じく行動することだ。力を合わせると大きなパワーになる。
 しかし、数年たつと初心も忘れがちだ。自らを律し、郵便局長という影響力のある立場を片時も忘れないようにしていただきたい。〝人として〟の立ち居振る舞いも求められる。地域からの信望厚く、社員からも「あの局長と一緒に仕事がしたい」「あそこの局にいたい」と評価されることがバロメーターだ。
 地域のお客さま、社員や自身の安全のために、いざという時に信頼していただくには、日頃の人間関係が大事だ。局長会の新しい世代に大いに期待している。仕事も全力で取り組み、さらなる次世代に郵政事業をしっかりと引き継いでいけるよう互いに切磋琢磨し、地域に貢献していこう。


久保博史基本問題専門委員長(和泉池上)
 地域の方々やお客さま、社員との良好な関係を築き、選んだこの道、この場所で精いっぱい頑張っていただきたい。
 全特名古屋総会で犬童周作相談役が「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」の文言を引かれ、あいさつされた。
 変化を求めることも大切だが、軸がなければ長続きはしない。軸とは〝国家観〟と〝歴史観〟だと大切さを述べられていた。郵便局長の制度や歴史を知り、局長会を深く理解し、自らが選んだ道をしっかり歩み、皆さま方自身の未来を描いていただきたい。



【基調講話】片山裕也特別嘱託

 皆さんは自ら志望し、郵政事業と地域の発展に寄与するため地域の方々の期待を一身に背負い、局長になった。全特バッジをつけることに誇りを持っていただきたい。
 組織の原点は〝部会〟だ。目的を共有し、進めば大きな力になる。
 地域の中で「自分が局長です。何でもご相談ください」と、こちらからもあいさつに出向き、「局長さん」と呼ばれる回数を増やす努力をしていただきたい。
 近特は今、全局で地域の方々から課題を吸い上げ、どう郵便局が役に立てるか、声を犬童周作全特相談役に、全特を通じて伝えようとされている。郵便局が地域の方々にとって使いづらいのであれば、直すのは法律しかできない。
 地方の局は赤字で、都市部の局が黒字といわれることがあるが、全国どこにも郵便局があることで、都会の方は郵便やゆうパックを使い、郵便局の商品を買う。
 ユニバーサルサービスを支えているのは、皆さん方局長と郵便局という建物。局長がいなければ、郵便局は公民館になってしまう。地域に役立つ郵便局ネットワークにするために、民営化法見直しの早期実現が待たれている。


【先輩局長体験談①】寛山学局長(高槻天神)

 着任当初に「局周300軒軒並み訪問」を実行。あいさつ状800通を作成し、ポスティングをし、すれ違う方にあいさつをし、地図をマーカーで塗りつぶしていった。
 窓口に来るお客さま全員にあいさつ。地域の集まりに声をかけていただけるようになった。福祉委員の方の相談をきっかけに、局長仲間と「郵便局長バンド」を結成。自治会館で行う定期演奏は大好評だ。
 地域の方の絵や書道、刺しゅう、折り紙、塗り絵を局内やガラス窓に展示。皆さまに大変喜んでいただいている。


【先輩局長体験談②】中川優也局長(阪南和泉鳥取)
 着任当初は毎週土曜の局周清掃から始め、1年ほど続けると地域の広報誌に載せてもらえた。局の風景印もデザインを業者の方に依頼せず、「デザインが得意なお知り合いはいませんか」と窓口でお声がけし、お客さまから紹介いただいた。
 その中からお客さまに選んでいただこうと窓口に投票箱を置き、地域ならではの風景印が完成した。約5000人が集う桜祭りの企画・運営も仕事時間外に携わり、地域と一緒に汗をかき、絆を強めた。努力で開いた〝地縁性〟は大きな力だ。


【講評】川上昌彦副会長(川西向陽台)

 地域を守る、お客さまを守るために局長として何ができるかは、それぞれの地域で異なるが、小さなことでも継続的に挑んでいただきたい。
 しっかりと貢献していけば5年、10年たつと「あの局長さんの言うことやったら間違いない」「あの局長さんがいる郵便局だから行ってみたい」「この郵便局は地域に必要だから守る」となっていく。
 互いが尊敬し合う人間関係づくりのキーワードは、謙虚・誠実・感謝。一歩引いて、うそをつかず、敬意をもって接する。よろしく願いたい。