〝新たな時代〟を切り拓こう 全特名古屋総会

2024.06.20

 「創業の志を原点に新たな時代を切り拓こう」を結びの言葉に掲げたスローガンのもと、全国郵便局長会(末武晃会長)は5月19日、ポートメッセなごやで通常総会(全特名古屋総会)を開催した。冒頭、末武会長は「名古屋は戦国乱世を駆け抜け、天下泰平を夢見て、日本の歴史を大きく動かした信長・秀吉・家康の三英傑のふるさと。『この地において、創業の志を原点に、新たな時代を切り拓く』ことを改めて申し上げる」と力強く呼びかけた。

犬童周作(いんどう・しゅうさく)氏を全特相談役に

 開催地となった東海地方会(勝又一明会長)中心に1年間準備が重ねられた名古屋総会は、コロナ前の2019(令和元)年に開催された全特広島総会以来初の大規模総会。全国各地から約1万人の郵便局長のほか、OBや夫人会を含めて多くの関係者が名古屋に集い合った。
 宮川大介副会長の開会宣言により幕を開けた総会では、岸田文雄内閣総理大臣のビデオメッセージが放映されたほか、多くの来賓から、時代が大きく変化する中での郵政事業と郵便局の重要性に期待が寄せられた。総会では次期参議院議員通常選挙の組織内候補者として犬童周作氏を全特相談役とすることを決定した。

 名古屋総会を機に全特役員のうち、宮川大介副会長、向井則之副会長、宮島貢理事、須田孝之理事の4名の退任に伴い、宮下民也理事(九州地方会会長)、勝又一明理事(東海地方会会長)を副会長に選任。
 新たに沼袋浩北海道地方会会長、前野耕一東京地方会会長、小倉雄二中国地方会副会長、真鍋俊明四国地方会会長の4名を理事として承認した。
 また、真鍋氏の理事就任に伴い、欠員となる監事の後任として、大﨑隆徳四国地方会副会長を監事に選任した。
 末武会長から、来年の通常総会は北海道札幌市での開催が宣言され、土田茂樹副会長(近畿地方会会長)の閉会の辞で名古屋総会は幕を閉じた。
 (写真・記事本文は全国郵便局長会のご提供〈記事のうちコメント部分は来賓含む各関係者の方々からの取材を基に作成し、ご紹介しています〉)

創業の志を原点に信頼を 末武晃会長


 「令和6年能登半島地震」に改めてお見舞いを申し上げ、早期の復興を祈念する。局舎や会員の方々の自宅も大きな被害を受けたが、全特は地震発生後、速やかに北陸地方会と連携を密に被災地向けに必要な物資の提供を行うとともに、1月26日には「赤いポストの会」を立ち上げ、会員の皆さまからの義援金を募って多くのご協力をいただいた。
 本日も会場内に募金ブースを設けている。会社にも現場の状況を伝え、必要な対応を求めるなど引き続き、全力で支援に取り組んでいく。
 昨年、全特は結成70周年を迎え、沖縄の地で記念総会を4年ぶりに開催できた。本年は、あまたの天下人を育んだこの名古屋の地で、1万人規模の名古屋総会を開催でき、コロナ禍前の団結の象徴である総会の姿が戻ってきたことに感無量の思いだ。
 コロナによる暗い影が世界を覆って、はや5年。その間、全特、郵政事業、災害や紛争など、国内外での暗い話題が多かった。しかし、ようやく私たちの思いを理解してくださる数多くの先生方にご支援いただき、困難な状況にある郵政事業の明るい未来を築く郵政民営化法改正の具体的検討が進んでいるとお聞きしている。引き続きご支援のほど、切にお願い申し上げたい。
 「デジタル田園都市国家構想総合戦略」でも、全国どこでも、誰もが便利で快適に暮らせる社会の実現を目指す基盤となる組織として〝郵便局〟を位置付け、国家戦略に組み込んでいただいた。役割を果たすには局長一人一人が地域に密着した地道な活動で信用・信頼を得て、「不易流行」の理念のもと、意識改革により、激動の時代にふさわしい郵便局ネットワークを自ら創り上げていくことが必要と確信する。
 名古屋は戦国乱世を駆け抜け、天下太平を夢見て、日本の歴史を大きく動かした信長・秀吉・家康の3英傑のふるさと。総会のスローガンにもある通り、『この地において、創業の志を原点に、新たな時代を切り拓く』ことを改めて申し上げたい。

国宝とは〝郵便局ネットワーク〟 犬童周作相談役


 総会の準備に尽力された皆さまと、栄えある全特相談役への就任をご承認いただいたことに御礼申し上げたい。
 1992(平成4)年に郵政省に入り、民営化スタート前後の大変な時期に当時の全特役員や郵便局長の方々に助けていただいたことが忘れられない。
 今、柘植先生、長谷川先生を中心に郵政民営化法を改正する議員立法の動きが始まっている。政策を決める時に必要なことは軸を持つこと。郵政事業の軸とは、創業以来、全国津々浦々に張り巡らされる郵便局ネットワークと支える郵便局長、夫人会の方々の人と人をつなぐ面的ネットワークだ。
 日本のさまざまな課題解決に大きな役割を果たしてきたことを我々は忘れてはならない。守る仕組みも考えなければいけない。
 「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」という言葉を私なりに解釈したい。一定の光を社会に当てるにはまとまった光が必要で、同じ方向に照らす集団が国宝と言い換えたい。
 国宝とは郵便局ネットワークであり、支える郵便局長や夫人会の皆さん方の人と人をつなぐ人的ネットワークだ。私も汗をかいてまいりたい。1年間、皆さま方にさまざま教えていただきながら、オール郵政で頑張ることをお誓い申し上げる。

志高く皆で進もう 勝又一明東海地方会会長(全特新副会長)


 5年ぶりとなる大規模総会を名古屋の地でリスタートでき、胸が熱くなっている。改めて感謝申し上げたい。
 局長会を取り巻く環境はますます厳しく、長引いた新型コロナ感染症の影響もあり、会員同士や地域とのつながりが希薄化し、本来局長が持つ絆が崩れかけていると感じる。
 しかし、約1年をかけて本総会の準備をしてきた東海地方会の会員の団結の姿と、1万人の同志の皆さまと会え、不安が一掃された。間違いなく、絆はここにある。
 「早く行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければみんなで進め」。岸田総理が就任後、初の所信表明演説でアフリカのことわざを引用された。ご存じの方も多いと思う。仲間と行くと、個人の限界を超え、まだ見ぬ場所まで行くことができる。
 不確実な時代だからこそ、郵政事業創業の志を改めて確認し、全特の仲間が共に手を取り合い、まだ見ぬ新しい世界に向かうことを誓い合える全特名古屋総会となることを心から願っている。