ザ・未来座 瀬戸隆一衆議院議員を囲んで 郵便局長のトーク&インタビュー(上)

2024.05.25

 「郵便局の新たな利活用を推進する議員連盟」(山口俊一会長)の常任幹事の瀬戸隆一衆議院議員(財務大臣政務官)は、中堅・若手局長との座談会で「配送と決済ができて保険まである日本郵政グループ三事業一体のプラットフォームができれば、地方も都市部で資金の好循環が成り立ち、活性化できる」と指摘。「郵便局は地域の方々の顔をよく知っていることが最大の強み」とも語った。対話したのは四国地方会(真鍋俊明会長)香川県東部地区会(西岡洋一会長)の稲垣昌秀局長(香川県中若代表のうち1名/池田)と関東地方会(黒岩伸一会長)神奈川県横浜西部地区会(鈴木真一会長)の綿貫敦夫局長(神奈川県中若代表のうち1名/横浜鶴ヶ峰)のお2人だ。(左から綿貫局長、瀬戸議員、稲垣局長)

局長の「顔認証」こそ郵便局の出番!
生産地×消費地で新たな連携の形を


 瀬戸議員 本日は遠方から、またお忙しい中、来てくださってありがとう。国会議員の考えることが机上の空論にならないようにしないといけない。現場の状況をさまざま教えていただけるとありがたい。


 稲垣局長 うどん県と呼ばれる香川県のオリーブオイルで有名な小豆島の6名局から参りました。香川は瀬戸先生の地元です。私は、単マネ局も含めて郵便局の仕事をして17年目。局長は5年目になります。

 綿貫局長 私は、横浜の中でもベッドタウンの街中にある5名局から参りました。前職は車関係の営業職。縁あって郵便局に採用いただき、13年。局長は12年目です。

 瀬戸議員 一時払終身保険の売れ行き状況は? また、硬貨を貯金する際にお金がかかるようになって先般、以前の形に一部戻されたようだが、お客さまは戻ってきたのかな。

 綿貫局長 一時払終身保険は売れています。低迷していた窓口が活性化され、良い流れに変わりつつあり、皆が〝やらなきゃ〟と気合が入ってきましたね。年金支給日は慌ただしく、私も窓口で社員と頑張っています。
 硬貨の取り扱いは50枚から100枚まで無料と条件が改善されましたが、持ち込む方が増えたという印象はまだないです。まだお客さまは硬貨の取り扱いが一部改善されたことをご存じないと思います。

 稲垣局長 私の地元は地場産業の方が硬貨を持ち込むのではなく、商店の方が紙幣を硬貨に替えて持ち帰られる方が増えました。釣り銭に使用されるのだと思います。

 瀬戸議員 郵便局は各地域で公的なサービスを長年、提供してこられた。今後も公的な仕事を市町村などから受ける形は進み、増えていくだろう。
人口減少に伴い、いわゆるエッセンシャルワーカー(医療や福祉、第1次産業や行政、物流や小売業など生活になくてはならない職種)の方が減る中で郵便局が担える仕事は増えると思う。その時にボランティアではなく、対価をいただける仕組みをつくることが政治の仕事だ。

 稲垣局長 地域の拠点を維持するために、郵便局と地方創生的な新規ビジネスを結び付けるにはどうすればよいとお考えですか。小豆島町の地域も人口減少が激しく、郵便局が地域の最後のとりでとして役目を果たすべきなのですが。

 瀬戸議員 郵便も一通のハガキを届けるだけではなく、届けるまでについでにできることを探さなくてはならなくなってきた。
 無料で提供したサービスもビジネス化し、新しい分野で新しい人材を呼び込める郵便局にすることが必要。例えば、ドローンを操縦したい方はたくさんいらっしゃるようだから、この人手不足の中で配達に使えるのかもしれない。

 稲垣局長 ドローンによる配達はテレビなどでもその様子をよく見ますが、操縦する方というニーズに力点を置く見方は目からウロコです。人口減少の中で、AI的な要素も加えながら、郵便局がもっと地域貢献や地方創生に寄与する新しい付加価値を生むことが非常に大切と改めて考えさせられます。

 瀬戸議員 どんどん新しいこと挑戦すべきだ。ドローンも一つの荷物だけでなく数個運べるようになるといいよね。4.5㌔㌘に止どまらず、もう少し重いものを運べるようになると理想的だろう。
 新しい分野も含めて、郵便やゆうパックを届けるだけではなく、やれることをどこまでどのような形で広げていけるのか、アイデアを絞り出し、結集し、チャレンジし、実践することに価値がある。

 綿貫局長 東京や神奈川などの大都市は生産するよりも消費する地域です。私は香川県のうどんにとても興味があるのですが、例えば香川県の生産物を横浜で販売したい場合は、一つのカタログに載せる形になってしまいます。
 うどんやオリーブオイルを横浜の郵便局でポイント的に販売すれば、興味を持つ方も多いと思います。地元ならではの生産物を消費地に点と点で結び合わせるやり方ができれば、市場もあって、互いの地域を理解し合えるウィンウィンの仕組みができると思います。
 郵便局窓口で遠隔地の生産物を直接仕入れて販売できれば、生産地も消費地も潤うはずです。商社でも全国に物流網を持つ企業は郵便局以外にはないですよね。

 瀬戸議員 まさにそうだ。国内BtoCのEC化率は物販系で9.13%(2022年)で、さらに増えるといわれる。地方の生産物を大消費地でうまく販促する新しいやり方はあり得ると思う。
 Amazonや楽天のような要素を日本郵政グループ総体で持っている。配送と決済ができて保険まである。プラットフォームができれば郵便も、ゆうちょも、かんぽも同じ土台に乗れる。三事業一体を実現する意味でプラットフォームとなる土台があるとよい。
 私は郵政グループには物流と金融をつなぐプラットフォームをつくり上げる力があると信じている。ビジネスとして成り立つ仕組みを引き続き模索した方がよい。

 稲垣局長 香川の地元では、うどんなんて、と思うのですが、例えば、東京の方は結構喜んでいただいたりもします。確かに商社としての機能を地域貢献、地方創生に組み合わせていくと、大きな結果が期待できそうに思えます。

 綿貫局長 地震などの自然災害への備えで、郵便局はどのような取り組みに力を入れるべきですか。

 瀬戸議員 「能登半島地震」でもそうだったと思うが、郵便局長や社員の皆さんは近所の皆さんの顔をよくご存じだ。そこがまさに一番の強み。人間関係が希薄になった昨今、あのばあちゃんどうしたのか、と災害時には必ず出てくる課題がある。
 誰がどこに住んでいるのか、顔もある程度分かる局長の皆さんの役割は大きい。顔を知っているからこそ、緊急時にできることもある。貯金の引き出しも許可があればできるため、大災害時にはその力に大変助けられると思う。

 綿貫局長 私たち局長は地域イベント等に積極的に参加させていただき、覚えられる限り地域の方々の顔を覚える努力をしています。

 稲垣局長 局長の防災士活動は片付けを手伝うものと思っていましたが、人や顔を知っているからできる〝顔認証〟こそ、一番力が発揮できるかもしれませんね。能登地震を受けて、香川県東部地区会は防災士資格未取得の局長が全員受けて、私も4月に取得しました。

 綿貫局長 消防団に入る局長も多いです。地域の方々と顔なじみになって一緒に何かをやっていかなければ、なかなか結び付けない時代になっています。

 瀬戸議員 スマートフォンも顔認証になってきた。それは局長さんが昔からやってきたことだ。(続く)