生きる!地域と 香川県東かがわ市

2022.01.28

 四国支社(安達章支社長)は2020(令和2)年12月に東かがわ市(上村一郎市長)と包括連携協定を結ぶや、矢継ぎ早に各種施策を実現してきた。香川県東部地区連絡会(髙木規男統括局長/香南)が市と連携し、コロナ禍で困窮する同市出身の学生に無料で特産品を送る「ふるさと学生応援事業」は2回目を迎えたほか、ご当地ヒーロー「てぶくろマン」のラッピングポストや手袋題材年賀状コンクールなど多岐にわたる。それらのパイプ役を担ってきた大内局の渡辺哲局長に話を伺った。

〝ふるさとセット〟出身学生にお届け

 讃岐うどんに瀬戸内レモン、しょうゆ、和三盆などの特産品や、ぶりやうなぎなどがずらりそろった〝ふるさとセット〟は市が予算を計上。不安を感じて生活している学生たちに地元の味を思い出させ、心も癒やす。

 渡辺局長は「1回目は約500人に送り、初出荷はテレビ放映もされて大好評だった。市から全面的にスケジュール作成をはじめ、梱包の手順、衛生管理、発送までの運営管理を任され、最初は大変だったが親御さんたちもとても喜んでくださった」と顔をほころばす。
 この施策をはじめ、市の各課から相談を受け、協議を進めて実現したものは数多い。特に、未来を担う子どもたちを巻き込み、市全体を盛り上げる施策の数々に目を見張る。

 「てぶくろマン」のラッピングポストの図案募集には、600人近い小・中学生が喜々と参加した。「郵便局長賞」に輝いた作品は、市内各局のポストにデザインされている。

地場産業「手袋」の年賀状展は36年

 同市の地場産業として130年の歴史がある「手袋」を題材にした年賀状コンクールは1985(昭和60)年から実施し36年。全国シェアの約9割を占める伝統産業の誇りを、毎年子どもたちは作品作りの中で胸に刻んできた。

 小学生の手紙の書き方教室や中学生の職場体験も実施し、コロナ禍で試合のできなかった中・高校生のために、さぬき市と合同でソフトテニスの大会を開催。市内全局が「子どもSOSシール」を掲示し、高齢者等見守りネットワーク協定も結んでいる。

 「包括連携協定は、そこから何をやるかが大事。毎月予定がびっしりで、次の段取りをどんどん進めないと(笑)」と奮闘する渡辺局長。今後は地元企業による物産展を近畿圏等で予定している。

 渡辺局長は「市の多くの関係者は『郵便局は一番信頼がある』と言ってくださる。他の都道府県でやっていないことでも、わが市でやってみてはと提案していきたい」と抱負を語る。地域や子どもたちのため、行政とタッグを組んで未来を築きゆく、その歩みは力強い。