簡易局ネットワーク維持を 全簡連・全簡協総会

2023.07.28

 全国簡易郵便局連合会と全国簡易郵便局協会は2023(令和5)年度総会を6月3日午後、東京都内で開催した。全国簡易郵便局連合会総会で山口博文会長は、地域に根を張り奮闘する会員に感謝を述べ、簡易局が直面する「物価高」「一時閉鎖」「キャッシュレス決済」「防犯」等の課題対策に言及。「行動憲章の見直しも検討し、簡易局ネットワークの維持に向け、中長期的に取り組む」と意欲を示した。

キャッシュレス決済、52%超

 木原茂専務理事はキャッシュレス決済の導入が全国で52%を超えた状況等を報告したほか、23年度の事業計画について説明した。
 台風2号の大雨により午前中、東海道新幹線が運転を見合わせたため、開会時には定足数ぎりぎりの参加者だったが、何としてでも参加したいという会員が順次駆け付け、最終的には予定通り全国から約120名が集い、新しい息吹で出発した。

山口会長「行動憲章見直し、犯罪ゼロへ」


 山口会長は「昨年来の物価高騰で、多くの会員の皆さんが悲鳴を上げておられる。日本郵便に対して5月18日、緊急要請書を提出した。簡易局担当の坂東秀紀執行役員に直接手渡し、早期実現を依頼した」と報告した。
 一時閉鎖局問題については「過疎化やキャッシュレス化等の進展で、来局されるお客さまが激減している。簡易局ネットワークの維持に向け、中長期的な対策をしていかなければならない。その取り始めとして、全国アンケートを実施した。会員の3分の2を占める女性部や、長く簡易局に携わっていただきたい青年部の方々からの意見を取り入れて作成した。アンケート結果を日本郵便への要請書や意見交換会のテーマに反映し、将来に向けた協議につなげていきたい」と強調した。

 また、郵政民営化直後の2008(平成20)年6月に制定された「全国簡易郵便局連合会行動憲章」について、「見直す時期ではないかと考えている」と、改定への検討を開始することを明かした。
 デジタル化に向けては「キャッシュレス決済の導入を着実に進めていただいている。数字を競う性格の施策ではないが、デジタル化時代に対応できるよう、地域性を考慮した上で取扱局を増やしていきたい。」と呼び掛けた。
 さらに、「『新会員用研修テキスト』を基にした防犯研修会を全国各地で実施していく予定だ。本年度も全国犯罪ゼロの年にしていこう」と意欲を示した。
 木原専務理事は日本郵便との意見交換会について、①営業時間の弾力化等の規制緩和②機器の配備等のデジタル化③補助者確保④兼業――の各テーマでの実施状況を説明。キャッシュレス決済の導入が全国で52%(6月1日現在)を超えたことを報告した。
 今年度の計画について、全国施策として「防犯標語カレンダー」の作成・配布を実施するなどの事業計画を紹介。「営業環境の改善が進んでいる。好取り組み事例を紹介して、簡易局ブランドの向上にさらに務めていきたい」と述べた。
 全国簡易郵便局連合会総会では、議長を三重県簡易郵便局連合会の石垣明美会長(東員南大社)、副議長を鳥取県簡易郵便局連合会の岸田泰会長(別府)が務めた。その後、今年度の個人表彰受賞者50人の代表者に、山口会長から賞状等が授与された。