日本郵便 窓口、来期増益へ反転攻勢
日本郵便の2022(令和4)年3月期決算は減収増益。営業収益は為替影響による625億円増を含んでも前期比1807億円(同4・7%減)と減収となった。
営業利益は郵便・物流、郵便局窓口の両事業とも減益で1482億円(同4.4%減)。経常利益も1435億円(同3.8%減)と微減した。
純利益は豪トール社のエクスプレス事業(速達便や貨物輸送サービス)売却に関連する特別損益の赤字幅縮小(同834億円増)で、932億円(同74.5%増)と大幅な増益を確保した。
郵便・物流事業は減収減益。主力のゆうパック(ゆうパケット含む)の取扱数量が同9.4%減(ゆうパケットは同15・4%減)となった。一方、ゆうメール(種別は荷物)はダイレクトメール等の差出増等で同1.4%増と微増。
郵便は、ワクチン接種券や選挙郵便の一時増、国際郵便引受再開による郵便増もあったが、年賀はがきの減等で同2.5%減。営業収益は2兆412億円(同272億円減)となった。
経費は航空便順次再開に伴い88億円増となったものの、人件費をリソース最適配分とコストコントロールで同145億円減まで抑えたことにより、営業費用全体では57億円減、これらにより、営業利益は1022億円(同214億円減)の減益になった。
郵便局窓口事業も減収減益。受託手数料が三事業合わせて同307億円減(郵便19億円減、銀行119億円減、保険168億円減)と減収。
営業収益は、その他収益に含まれる物販事業で、収益の一部が総額から純額に移行したことで380億円(同648億円減)、不動産事業も332億円(同40億円減)、提携金融事業も75億円(同15億円減)などと苦戦し、1兆1517億円(同916億円減)を計上した。
営業費用の経費を同732億円抑えたが、営業利益は245億円(同131億円減/34.9%減)の減益となった。
国際物流事業は減収増益。営業収益はフォワーディング事業の貨物需要増による増収があったが、ロジスティクス事業(輸送・倉庫管理や資源・政府分野の物流等サービス)の新型コロナ関連の大口取扱減少、エクスプレス事業譲渡に伴う収益剥落の影響により、82億7900万豪㌦(同15億6400万豪㌦減)の減収となった。
一方、営業費用もロジスティクス事業の減収見合いの経費減や、譲渡完了に伴うエクスプレス事業の費用剥落等により大きく減少し、営業損益は3億4600万豪㌦(同3億豪㌦増)の増益となった。
日本郵政の浅井智範常務執行役は2023(令和5)年3月期通期業績予想で、郵便局窓口事業が22年3月期比105億円増を見込む理由につき、「コンサルタント社員1万人以上がかんぽ生命に兼務出向することで人件費が減少する。それに対し、かんぽ生命からの受託手数料収入は段階的に減るため、ネットでは増益。物件費は一部増えるものの、トータルでは増益を見込んでいる」と説明した。