日本郵政 地公体受託拡大へ専門室新設

2026.03.06
日本郵政の根岸一行社長は1月20日の記者会見で、「次期中期経営計画骨子でも郵便局を地域のサポート拠点と取り組みの一つとして『地方公共団体の事務受託拡大』も挙げている。今月にも日本郵政と日本郵便が地公体との連携強化にさらに資するよう『自治体連携事業室』と題する組織を新設する。マイナンバーカード関連受託事務もそうだが、これまで以上に取り扱い増加に取り組みたい」と意志を表明。「ニーズに応じ、受託業務を広げ、幅広く郵便局を活用いただき地域への貢献度を高めたい。当初は20名程の組織を想定している」と語った。また、「郵便局への他金融機関ATM設置も広げたい」との意向も示した。

マイナ更新の山に貢献!

根岸社長は記者会見冒頭、「郵便局におけるマイナンバーカード関連事務の受託」の状況を説明。2021(令和3)年度と23年度の法改正を受け、郵便局はマイナンバーカードの「電子証明書の発行・更新等の受付」「交付申請の受付等」事務が取り扱えるようになった。
 
電子証明書は5年に一度更新が必須。根岸社長は「25~27年度の3年間の更新件数は約5110万件が見込まれる。郵便局に委託することで地公体は事務が軽減され、住民の方々は近くの郵便局で更新できる。昨年は地公体へのご案内に力を入れてきた」と強調。郵便局は25年末12月時点で75団体から239局が受託。政令市、特別市、中核市も14団体が郵便局に委託している。
 
【質疑応答】
 
――「マイナンバーカード受託状況」の資料によると地方だけでなく、意外に都市部も多いですが、都市部のニーズとは更新の山ですか。目標とは。
根岸社長 多くの国民が利用される。手続拠点を増やせば待ち時間を短くし、来局ついでに他にできることもあるかもしれない。更新手続きのために人員を増やしたい地公体側と、活用を案内する郵便局側双方のニーズが合致した。
 
地方部は支所等が撤退した後の利便性向上だが、都市部は更新機運の高まったニーズ対応を考えたい。あくまで地域の実情次第で、営業目標を掲げるものではない。「郵便局はこんなこともできます」と案内しようと支社と郵便局には伝えている。
 
――「自治体連携事業室」とは何人体制でいつからスタートし、どのような業務をされますか。局内にATMを設置する金融機関も増えてますが。
根岸社長 新しい組織の主な業務は「地公体との連携」。支社や郵便局は各地元で地公体と接触するが、総務省の実証事業等は全体的な観点から本社が提案している。
 
マイナンバーカード関連事務の収益は全国年間5000万円程度。全ての公的な受託業務は25年度上期で4~5億円程だ。一方、ゆうちょ以外の金融機関ATM設置は39局、15~16行程。マイナ関連事務含み各地域のニーズに応じた受託業務を広げ、幅広く郵便局ネットワークの活用による各地域への貢献度を高める目的で、営業目標を掲げるものではない。
 
――集配拠点の検討状況を。ユニバーサルサービス維持が強いられる中で効率化や不動産活用による収益力強化等、全体から考えた郵政事業の狙いは。
根岸社長 集配拠点は次期中計期間に3年間で500カ所程に集約できるのでは、と検討し、スケジュールも精査している。どの程度集約できるかは各地域の現場のバランスを考慮し、精査しなければいけない。
 
都市部は1局の受け持つ範囲を不動産有効活用すの観点から逆に分ける形もあり得る。地方は郵便物数も厳しくなる中、2~3拠点に社員を配置したオペレーションを1拠点にすることで効率化できる集配局もあると思う。配達日数や頻度はユニバーサルサービスで法令上規定される現行のサービス水準の中でどう効率的に郵便物をお届けするか、取り組みを進めたい。
 
――次期中計骨子の機能型ネットワークと最適配置は郵便局をグループ分けして考えられますか。コンビニ商品の局内販売の形は広げますか。貨客混載の計画は。金融窓口はいつ頃、元の体制に戻す予定ですか。(郵湧新報)
根岸社長 グループ分けしてこの局はこうしようでなく、リモート環境等も整えてどのような形が1番その局に合うのか、どの程度の規模感であれば何ができるかを検討している。実際、何ができるかは次のステップ。中計期間中にはチャレンジし、見極めていく窓口局は多いと思う。
 
コンビニとの連携やその他買い物支援等々もニーズを探っているが、利用する方が思ったより少なかったり、予定通りに進まなかったりする。カップラーメンのお湯を注げる局もあるが、各地域のニーズを見極め、チャレンジしたい
 
貨客混載は、地域の実情が混載とかみ合うかは未知数だが、ニーズもある程度見えてきた。面として考えていけるとも思う。金融は窓口にクロスセルシステム等も導入している。今の状況を続けているわけにいかない。状況をよく確認した上で次のステップに行きたい。

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