郵便局を生活支援・観光の拠点に 熊本県上天草市で総務省の猫プロ実証

2026.02.08

人よりも猫が多い「猫島」として知られる熊本県上天草市の湯島。この島の湯島郵便局(岩崎光一局長)で、上天草市とタイアップし、郵便局を生活支援・観光振興の地域拠点(コミュニティハブ)として活用するプロジェクトが11月1日から始まった。総務省の「地域の持続可能性の確保に向けた郵便局の利活用推進事業」の一環で、実証期間は来年2月27日まで。現地を取材した。

郵便局に「猫」ポスト

湯島は有明海のほぼ真ん中、天草諸島と島原半島の間にある周囲約4㌔の島。上天草市の江樋戸港から定期船で約25分の場所にある。人口250人に対し、猫の数は300匹。猫を目当てとした観光客は年に約1万人が訪れる。

一方で、商店も島民が集まれる場所も少ないため、巣ごもり独居老人と買い物難民が増えていることや、観光客は訪れるものの猫を見て帰るだけで島に何も残らないといった点が課題となっていた。

実証事業はこうした地域課題の解決に取り組むもの。具体的には、高齢者支援・地域住民向けサービスとして、郵便局内の空きスペースに大型ディスプレイを設置し、スマホ相談や、介護予防を目的とした体操プログラムを実施。さらに、雑貨棚や冷凍ショーケース、冷凍販売機を設置して、日用品や生活必需品、冷凍商品を販売し買い物を支援する。

観光客向けサービスとしては、郵便局に「猫」ポストを設置したり、猫や名産の〝湯島大根〟をあしらったオリジナル消印を提供(来年1月5日から)する。

12月18日には、湯島局に島民5人が集って「スマホ相談会」が開催された。大きな画面を使って市行革デジタル戦略課の塚本悠太参事がカメラの撮り方、地図アプリの使い方、料理レシピなどの表示の仕方などを説明。市地域包括支援係の甲﨑智絵参事らがサポートした。参加者からは「楽しかった」「スマホの便利さが分かった」などの声が聞かれた。

郵便局の利活用の話が市から湯島局にもたらされたのは今年春。岩崎局長は、熊本県天草地区連絡会の勝木重喜統括局長(御領)、栂尾圭輔上天草部会長(江樋戸)と相談しながら九州支社(平山泰豊支社長)、上天草市と連携を取り進めてきた。岩崎局長は「どうすれば地域貢献ができるか考えてきた。住民に喜んでもらえてうれしい」と笑顔を見せている。