目時事務局長が再任 UPU大会合 小池日本郵便社長らも出席
ドバイ(アラブ首長国連邦)・ワールドトレードセンターで開催されたUPU(万国郵便連合)大会議が9月19日に閉幕した。現地時間の18日午前には国際事務局長選挙が行われ、2期目に挑んだ目時政彦氏が無投票で再選された。同日午後のUPUのCA(管理理事会)とPOC(郵便業務理事会)の理事国選挙でも日本は高得票で当選。また信頼性等を評価する「UPU郵便業務発展指数」(2IPD)において、日本はスイスやドイツと並ぶ高評価を受け、総務省の阿達雅志副大臣や日本郵便の小池信也社長が目時UPU国際事務局長から表彰された。
UPU大会議 目時氏、実績で満場一致
郵便業務で日本は表彰も
(左から)目時事務局長、小池社長、阿達副大臣、オスヴァルドUPU事務局次長
目時UPU国際事務局長が満場一致で再任となったのは4年間の功績と日本政府の下支えが功を奏した。2021(令和3)年にコートジボワール・アビジャンでのUPU大会議の選挙で、アジア・太平洋地域出身初の事務局長として選出された目時氏は国連専門機関トップとして唯一の日本人。
22年1月から1期目を務める中、22年のサウジアラビア・リヤドでのUPU臨時会合や、23年のWCO(世界税関機構)-UPUグローバルカンファレンスを日本で初開催し、各国の税関と郵便の連携強化を成功裏に収めたほか、UPUの機能強化や財政健全化に尽力するなど実績を積み上げた。
2期目の選挙では当初、対立候補が出る可能性もあったが、最終的には目時氏のみが立候補。総務省と外務省の協力、各国大使館を通じた外交ルートでの支援依頼、石破茂首相、村上誠一郎総務大臣や岩屋毅外務大臣もTICAD(アフリカ開発会議)等、さまざま海外の要人に会う都度、支持を依頼していたもようだ。6月末にモンゴルで開催されたAPPU(アジア・太平洋郵便連合)EC(執行理事会)でも政府は参加15カ国と二国間会合で支援を呼び掛けるなど、満場一致の機運を支えた。
(左から)久田雅嗣日本郵便執行役員、秋本副社長、今川審議官、青木前国際企画室長
今回の大会合では総務省から阿達副大臣や今川拓郎審議官、日本郵便から小池社長と秋本芳德副社長が出席。CAとPOCの理事国選挙も行われる中で、目時氏の選挙に向けた後押しとともに日本の存在感を高めた。
阿達副大臣の、日本が拠出するジャパンファンドを通じて各国・地域のニーズに即したプロジェクトを支援するとのスピーチに各国が喝采を送った。郵便局のDX化や環境に配慮した郵便事業への支援を日本として各国に提供したい意向も表明した。
郵便事業を①信頼性②サービスへのアクセス性③適合性④弾力性――の四つの側面から指数で評価する郵便業務発展指数(2IPD)が最高水準と高評価された日本は、表彰式に阿達副大臣と小池社長が出席。今川審議官を含めてそれぞれがさまざまな国と二国間会談を行った。
アラブ首長国連邦、サウジアラビア、インド、南アフリカ、ベトナム、フィリピン、コートジボワール、スロベニア、フランス、ケニア等々とUPUの財政問題、プロジェクトの重点案件などを協議した。