日本郵政グループ第1四半期決算 不動産事業を独立開示へ
日本郵政グループは8月9日、2025(令和7)年3月期第1四半期決算を発表した。グループ連結の経常収益は2兆7358億円(前年同期比3.9%減)。経常利益は2114億円(同22.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は747億円の減収増益となった。
四半期純利益増の主な要因は、アフラック・インコーポレーテッドの持分法投資利益228億円が、その他経常利益を押し上げたことや、前年同期に計上のあった日本郵政の保有する楽天グループ株式に係る有価証券評価損が剥落したことなどが影響した。通期見通しに対する進捗率は26.7%。
また、不動産事業セグメントの独立した開示が始まり、同事業の営業収益が296億円(同188億円増)と大きく伸展。営業費用に211億円かかるものの、営業利益が85億円(同100億円増)となった。
日本郵便 ゆうパケット絶好調・ゆうメール好転
日本郵便の第1四半期決算は増収減益。営業収益は8305億円(前年同期比291億円増)、営業損益は147億円の損失(前年同期は96億円の利益)。経常損益は160億円の損失(前年同期は84億円の利益)、四半期純損益は182億円の損失(前年同期は93億円の利益)となった。
郵便・物流事業の取扱数量は全体で前年同期比2.2%減。荷物はゆうパックが同0.8%増と堅調、ゆうパケットが同15.6%、ゆうメールも同11.2%とそれぞれ大きく増加したが、郵便は同5.7%減となり、営業収益は前年同期比45億円減の4783億円となった。
加えて、人件費が同113億円増、集配運送委託費等の経費も同134億円増となり、営業損益は364億円の損失となった。
郵便局窓口事業の営業収益は銀行と保険の手数料減少傾向が続き、同34億円減の2563億円(同1.3%減)。物販事業が65億円(同1億円減)と微減、提携金融事業が20億円(同2億円増)と微増した。人件費は同17億円減ったが、作業委託費等の経費が同23億円増となり、営業利益は138億円(同40億円減)となった。
国際物流事業はフォワーディング事業(貿易事務や輸送手配に付随して発生する専門業務)収入増により、営業収益は同212億円増収。ただ、人件費が同26億円、経費も同184億円増となり、営業損益(EBIT)は9億円(同1億円増)と、前年同期と同水準となった。
ゆうちょ銀行 投信販売件数246万超
ゆうちょ銀行の第1四半期連結決算は減収増益。連結粗利益は3190億円(前年同期比1296億円増)を計上した。役務取引等利益(以下単体)は391億円(同7億円増)と増加。投資信託・ゆうちょファンドラップは販売件数が246万3000件(同79万1000件増)、販売額は1465億円(同668億円増)と伸びを示した。
通帳アプリ登録口座数は6月末時に1128万口座(3月末から88万口座増)、NISA稼働口座数は同76万口座(同3万口座増)となった。ゆうちょ銀行は「親会社株主純利益の 通期業績予想3650億円に対する進捗率は 26.3%と堅調だ」としている。
かんぽ生命 新契約件数(個人保険)133%増
かんぽ生命の第1四半期連結決算は、経常収益は減少したものの四半期純利益はほぼ横ばい。新契約年換算保険料は個人保険が638億円と前年同期比で407億円増加した。経常利益は同248億円増の681億円を計上した。個人保険の保有契約年換算保険料は2兆9715億円と前期末比157億円の減少。EV(エンベディッド・バリュー)は新契約価値の増加等で3兆9819億円と同169億円増加した。
通期連結業績予想に対する四半期純利益の進捗率は.5%と、おおむね計画通り。かんぽ生命は「一時払終身保険の販売が引き続き好調だったこともあり、新契約件数(個人保険)は前年同期比で133.6%の増加となった」としている。