〝京都高齢者あんしんサポート企業〟に
人生100年時代に地域の高齢者を守るため、京都市南部地区連絡会(上田浩敬統括局長/京都大原野灰方)は6月14日、キャンパスプラザ京都で「京都高齢者あんしんサポ―ト企業養成研修」を受講した。京都地域包括ケア推進機構、伏見区認知症初期集中支援チーム、京都府警察本部特殊詐欺対策室による認知症と特殊詐欺に関する研修を約100人の局長が真しに受講し、サポート企業に認定された。
「高齢者を守る社会」を 京都府5地区約390局が認定
上田統括局長(写真上)は「京都府と郵便局は包括連携協定を結んでいる。連携を生かし、地域の安心・安全を守るために高齢の方々を社会全体で支えていこう」と呼び掛けた。21日には京都市北部地区連絡会(村上好治統括局長/京都東洞院錦)が研修を受講。京都府内5地区442局中、現在までに約390局が認定された。
認知症や特殊詐欺学び、守る
京都府民の認知症患者は2040(令和22)年に約20万人と予測されている。京都地域包括ケア推進機構は、40代、50代で認知症に発症する方もおり、認知症の方が増加する中で、府独自の取り組みとして、「京都高齢者あんしんサポート企業」の養成を進めていると説明している。
「あんしんサポート企業」とは、高齢者の見守りや相談窓口の設置、家族へのサポート等を行う「高齢者に優しい企業」として府が認定。来局された方の様子の異変や、来なくなるなど地域に根差す郵便局ならではの〝気付き〟も大切になる。
伏見区認知症初期集中支援チームの増本敬子氏(写真上、介護福祉士)による「高齢者や認知症の方の特性を学ぶ」研修では、認知症の方と対話する際に「否定」や「上から目線」はご法度で、「雑談が大事」などのアドバイスがあった。
京都府警察本部特殊詐欺対策室の政聖治室長補佐(写真上)は「近年の特徴は、銀行協会を名乗る者から固定電話に電話がかかり『キャッシュカードを受け取りに行く』等の手口が多い。被害の約84%は高齢者で女性が多い。昨年は、金融機関に67件、4100万円分、郵便局に15件、約1300万円の被害を食い止めていただいた。郵便局長に説得いただき、事前防止につながった事例もある」と感謝の意を表した。
対策として、固定電話の留守番電話機能設定が望ましく、買い替えはお金もかかるが、警察と防犯協会の補助があることや、NTTのナンバー・ディスプレイとナンバー・リクエストサービスは70歳以上の契約者、また、同居する契約者は無償なことが伝えられた。
窓口対応〝気付き〟も大切
政室長補佐は「郵便局は被害を食い止める最後のとりで。研修を窓口のお客さまの対応に役立て、被害防止につなげていただきたい。社会全体で高齢者を見守ることが重要だ」と期待を寄せた。