日本郵便×神奈川県が包括連携
日本郵便と神奈川県は9月4日、包括連携協定を締結した。締結式で黒岩祐治知事は「郵便局はお一人お一人と〝直接〟つながる大きなリアルネットワーク。隅々まで血の通った行政ができるよう協定を生かしたい」と強調。千田哲也社長は「地域の皆さまあっての郵便局。〝全世代〟の方々と一緒にさまざま取り組んでいきたい。防災の観点からも重要な協定だ」と意欲を示した。
千田日本郵便社長 全世代、全地域と共に
黒岩神奈川県知事 血の通った行政目指す
日本郵便と自治体との包括連携は45都道府県(9月4日時点)・1435市町村(7月末時点)と締結し、全自治体の約84%となった。
包括事務受託は32自治体から81局が受託(7月末時点)している。
ぬくもりのコミュニティーを
共生社会や子育て、防災も
包括協定の柱は①共生社会②子育て支援③観光振興④県政情報の発信・広報⑤社会的課題解決に資する取り組み――の5本。共生社会を目指す神奈川県は「ともに生きる社会かながわ憲章」のもと、障害福祉推進条例を制定。すでに県立障害者支援施設「中井やまゆり園」の入居者が秦野局(佐川透局長)と二宮局(野宮誠局長)で局周清掃や花壇の植栽等を一緒に行い、地域住民と触れ合う機会を創出している。
黒岩知事(写真㊨)は「施設内だけにいた中井やまゆり園の皆さんは、外へ出て地域の役に立つ仕事を郵便局と行うことで生きがいを見いだし、劇的な変化が起きている。若者も地域コミュニティーに溶け込んでいない人が多い。高齢の方も健康で長生きするためにコミュニティーは必須。郵便局との連携は大きな足掛かりになる」と述べた。
千田社長(同㊧)は「障がい者の方々との清掃局は広げていきたい。若い方にとっても郵便局は貴重な存在。子育てに関することも県と一緒に取り組んでいきたい。県内も高齢化が進んでいると聞く。皆さまに幸せになっていただけるよう、防災の観点含め、協定は郵便局ならではのさまざまなサービスを提供する礎だ」と語った。