インタビュー 奈良県簡易局連合会 福塚俊介会長

2024.04.29

 奈良県簡易局連合会の福塚俊介会長(近畿簡連事務局長/三郷勢野東)に、簡易局の存在価値や後継者問題についてご意見を伺った。

防災研修を実施しAEDも設置

 ――奈良県簡連の取り組みや現状について教えてください。
 福塚会長 この2月、青年部主催で2回目となる防災研修を実施し、防災と減災、備蓄の大切さなどを学んだ。
過去には応急手当やAEDの使い方を学習。お客さまに万一のことや周辺で事故が起これば役立てると思い、自局にもAEDを設置しており、私自身も消防団に所属している。

 ――簡易局の一時閉鎖を食い止めるには。
 福塚会長 奈良県簡連は68局が稼働しており、12局が一時閉鎖の状況だ。受託者を職業として魅力あるものにすることは、増加する一時閉鎖局対策と簡易局制度維持にとって重要なことは言うまでもないが、手数料の問題は深刻で、受託者のモチベーション低下を心配している。
 委託手数料の減少は、子育て世代や家計の担い手として、将来の見通しを曇らせており、遅々として進まない窓口業務のデジタル化は、郵便商品の利用が活発な世代のリピートを妨げ、客足を遠のかせている。
 簡易局受託者という仕事に対する、若い世代の諦めともいえる感情は無関心へとつながり、今後の連合会を担う人材育成の妨げにもなるのではと懸念している。今後の日本郵便と全簡連の意見交換や検討会の議論に期待したい。