インタビュー 自見はなこ参議院議員
――保険証とマイナンバーカードの完全一体化が気になります。
自見議員 2019(令和元)年9月から1年間、厚生労働大臣政務官を拝命する中、新型コロナが急速にまん延した9カ月間に国内の医療DXの顕著な遅れを目の当たりにした。
厚労省の加藤勝信大臣中心に、患者に番号が付与され、スマートフォンで発熱や呼吸状態を入力すると地域の保健所と国が患者の同じ情報を把握できるHER-SYSと題するワンクラウドカルテ(感染者等情報把握・管理システム)を開発し、全国約8000の医療機関を結んだ。
マイナ保険証、急進する医療DX
私は医師会出身議員とし、知事会と医師会の調整役としてその仕組みを作り上げた。
政府は今夏、加藤大臣を再任し、10月12日に官邸の中に岸田総理を本部長とする「医療DX推進本部」を立ち上げた。全国医療情報プラットフォームの創設を中心に、スピード感を持って取り組みを議論している。
柱は①患者情報のプラットフォーム化②電子カルテの規格の統一化③診療報酬の請求の事務的なシステム化――の3本。来春までに作業工程表を策定する。
――医療機関の支払いはどう変わりますか。
自見議員 来年1月から、自分の処方箋を紙でなくスマホで電子的に発行できる「電子処方箋」が始まる。全ての医療機関でマイナカードによる保険証をカード内のICチップに読み込み、スマホにかざしてカードの顔写真と符合させ、受け付けでオンライン「視覚確認」する。
ボックスに穴があり、マイナカードを入れるとカメラがカードの顔写真とその人物を符合させ、「〇〇さんが来ました」とオンラインで支払機器に流れる仕組みが来年4月から義務化される。
徐々にマイナカードを使ったオンライン視覚確認に移行する。大きな流れの中で、デジタル庁の河野太郎大臣が2024(令和6)年秋に保険証を撤廃すると発言された。