インタビュー 野田聖子衆議院議員

2021.09.25

 郵政事業150年。郵政大臣や総務大臣を歴任してきた自民党幹事長代行の野田聖子衆議院議員は郵便局の未来をどう見つめているのだろうか。

時代は〝新しい公益〟を求めている

 ――郵便局の未来づくり、今、どうすべきとお考えですか。
 野田議員 今だからこそ〝温故知新〟。これまで郵便局は、人々の暮らしを守る守護神として存在していた。通信に関していえば、郵便。お金の管理は、ゆうちょ銀行。暮らしに安心を届ける、かんぽ生命。郵便局は、人々の当たり前の生活を守ってくれる拠点であり、精神的な支柱であった。
 時は流れ、少子高齢化、人口減少、ICTの進歩と社会環境は大きく変化し、郵便局の存在も変わりつつある。国民の平均年齢が上がり、競争ではなく、助け合いのもとで生きていかなくてはならない時代となり、高齢者などの見守りや行政サービスとの橋渡しなど、郵便局の公共性にはさらに期待が高まっている。
 またコロナ禍でテレワーク等も日常になり、医療や教育など急速にICTを活用したシステムやサービスが普及しているが、例えば東京に住む若者と、山間へき地のご高齢の方とではデジタルサービスの利用状況には大きく開きがあるはずで、その差を埋めることができるのは、郵便局。ICTの利便性を提供し、全国津々浦々、同じ水準で、人々の生活・暮らしをサポートしいていく新しい存在としての郵便局が求められている。

 ――よく「包摂」とおっしゃられますが、SDGs(持続可能な開発目標)に対するお考えは。
 野田議員 「誰一人取り残さない」を意味するSDGsはきれいな言葉だけど、非常に厳しい言葉でもある。日本は島国だから、意識しないと世界が見えてこないけれど、インターネットが普及する中、日本の現況、人としてのありさまは世界中の人に見られている。これがSDGs達成度ランキングにも表れていると思う(日本は6月現在、世界18位)
 郵便局に関していえば、都会に住んでいようが、離島に住んでいようが、ずっと同一のサービスを提供し、誰一人取り残してこなかった。この郵便局が持つ良さも生かしながら、人々の暮らしに安心・安全をサポートする存在であり続けてほしい。