インタビュー 竹谷とし子参議院議員(公明党副代表)
――郵便局の利活用についてのご見解を。
竹谷議員 先日、郵政局の皆さまからヒアリングをさせていただく機会があったが、中でも、総務省の来年度の概算要求にも新たに入っている、郵便局を地域の〝コミュニティ・ハブ〟として利活用していくという事業に関心を持った。
〝コミュニティ・ハブ〟の花を各地域に
過疎化や高齢化が進む地域の〝持続可能性〟は大きな課題と認識している。公明党の「2040ビジョン」で提案している「創造的福祉社会」とは、「人々のつながりと支え合いを幾重にも創り上げ、全ての人の尊厳を守るとともにそれぞれの自己実現に最適な環境を提供できる社会」だが、自治体支所等の統廃合や金融機関の撤退が進む中、ユニバーサルサービスを展開してくださっている郵便局の存在は、地域においてますます重要になってくると思う。
行政事務の受託や買い物支援、地域金融機関の窓口設置などのほか、郵便局でのオンライン診療支援も始まっている。住民の皆さまにとって身近な拠点で信頼性が高い郵便局の機能拡大が進むことを期待している。
――力を入れられている離島振興や食品ロス削減の取り組みで感じられることは。
竹谷議員 党の離島振興対策本部で全国の離島を訪問しているが、島にお住まいの方々が頼りにされているのは何といっても郵便局だ。地域のハブとしての郵便局は他に代え難く、さらなる機能を担っていただける可能性は、離島やへき地では特に大きいと実感している。
食品ロス削減法を2019(令和元)年5月に議員立法で成立させていただいた。公明党の地方議員が中心になって未利用の食品を持ち寄り、必要とする人に配布する「フードドライブ」を全国で展開しているが、各地の郵便局でも善意のもとで取り組まれているところもあると伺っている。コミュニティ・ハブとして機能強化に積極的に取り組み、貢献していただいている一つの事例で、感謝申し上げたい。
――郵便局の存在価値や防災での期待は。
竹谷議員 北海道標津町の実家近くにも郵便局があった。高校から上京したが、仕送りは郵便局から送ってもらっていた。
下宿に両親から荷物が届いたり、レタックスでメッセージが届いたりして、当時から〝コミュニケーションのハブ〟で人の温かさを感じられた。今後は人口減少でコミュニティのハブとして存在価値が高まると思う。
地域防災の側面でも郵便局長の方々は局の近隣に住まわれている方が多く、災害時の事業継続や早期復旧に向けても危機に強い体制になっていると感じる。
地域を支える上で、郵便局ネットワークは〝効率性〟だけでは測れない、地域を守るセーフティネットとして重要な価値がある。平時はもとより、非常時も地域を支える担い手として、大変に心強い。
地域にとって、なくてはならないコミュニティ・ハブとして、ますます重要性、必要性が高まるものと期待している。