インタビュー なかのアセットマネジメント 中野晴啓社長

2024.06.27

 「なかのアセットマネジメント」は4月に「なかの日本成長ファンド」と「なかの世界成長ファンド」の運用を開始した。「短期の株価動向に一喜一憂するのでなく、本物の長期投資を提唱していきたい」と話す中野晴啓社長の目指す形は、社会を成長へと導く優良企業を厳選して投資し、運用することで産業界を活性化し、生活者の方々も幸せにするハッピー循環だ。

〝良質〟を厳選!皆を元気に

 ――新ファンドの特徴をお教えください。
 中野社長 2本とも、高度なアクティブ型投信を目標に掲げている。「なかの日本成長ファンド」は、国内の金融取引所に上場する株式に投資するが、確度の高い長期的な利益成長が見込まれる企業への厳選投資を通し、信託財産の長期的な成長を目指してボトムアップ運用を行う「クオリティ・グロース投資」。
 特徴はエンゲージメント、対話にある。投資先候補の経営課題を洗い出し、成長率、成長期間、資本コストを改善するための提案を定期的に行う。投資した資金に時間という栄養を与えて、じっくり育てていくイメージ。株式運用を高度化し、国民文化に昇華させることが社会的責務だと考えている。
 「なかの世界成長ファンド」は、生活者の方々が世界の経済成長軌道を養分にお金をゆったりと育てる。国際分散投資が主流の中で、米欧日、新興国にある高品質な成長企業を長期目線で厳選し、投資を行う。
 個人投資家同士が交流できるコミュニティーもつくる。その中に「なかのアセットマネジメント」運用メンバーも入り、積極的に情報発信する。長期投資を続ける個人投資家は孤独になりがちだが、同じ価値観を持った仲間が励まし合い、共に成長できる仕組みも提供したい。

 ――新NISA制度との関連はどうなりますか。
 中野社長 新NISA制度には、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)と成長投資枠(旧一般NISA)があり、つみたて投資枠は5年の運用実績がまだないため、2本のファンドを載せることはできないが、2本とも成長投資枠対象ファンドの形でNISAで投資できる。
 そちらも非課税期間が無期限になったため、今はほとんど差がない。しかもつみたて枠の非課税枠は年間120万円までだが、成長枠は年間240万円と幅も広い。今、インフレ社会への大きな転換期だが、今後はアクティブファンドが運用成果を上げやすい環境になるだろう。