インタビュー 全国郵便局長会 勝又一明理事(東海地方会会長/裾野岩波)

2024.03.02

 全国郵便局長会(末武晃会長)の勝又一明理事(東海地方会会長/裾野岩波)が課題に挙げているのは人員減。郵便局の根幹とは、どこにあるのだろうか。

全特魂ここにあり!の名古屋総会を

 ――地域貢献・地方創生に向けた思いと専門委員会のご担当を教えてください。
 勝又理事 私は人事制度・人材育成専門委員会の主任理事。基本問題と地域貢献・地方創生専門委員会も担当している。昨春、東海地方会会長に就任した直後に部会長以上を対象に開催した「スタートアップ会議」では、①インドアからアウトドア。地域での人脈づくりで成果に結び付ける努力とトップが現場に②郵便局・お客さま・地域を〝守る〟三方良しの取り組みこそ〝攻め〟③事業を愛し、自らのスキルを磨き、社員を育てる――の3点を呼びかけた。
 きめ細かな研修や一人一人が自立して行動できる組織づくり、中堅・若手の育成、事業展開等々を県単位で強化する目的で、4県の担当理事を1人から2人体制にした。末武晃全特会長が言われる「風通しの良い組織」は全特として永遠のテーマだ。「未来を考えるミーティング」東海版も4県下で実施した。
 地方創生、地域貢献活動は局長にとって最重要課題だが、地域ごとにニーズが異なるため、全国一律ではなく、地方や県単位での取り組みが望ましいと思う。部会長研修で「郵政関係者以外で年間何人の方と名刺交換できたか」と問いかけると、100枚配った局長はおらず、30~40枚でも多い方。日頃、地域活動をしない局長は10枚以下だった。
 時間を生み出して地域を回り、アンテナ高く情報を入手しながら地域課題解決に向けて行動することが大切だ。
 東海では「1部会1施策」を実践してきたが、評判が良く、2024(令和6)年度も継続してほしいとの声が上がっている。地道な活動でも確実に地域貢献を続けることはビジネスにもつながる。ただ、近年は人員不足でエリマネ局の局長もなかなか外に出かけられない実情もある。

 ――局長の防災活動も一層、注目されています。
 勝又理事 まずは「令和6年能登半島地震」のお見舞いを申し上げたい。防災は郵便局ネットワークの活用が極めて重要で、約2万4000拠点をさらに防災の意識付けに活用すべき。局長の多くが防災士資格を持つが、災害発生時に何をすべきかは、あまり議論をされてこなかったようにも感じる。
 東日本大震災や阪神・淡路大震災、能登半島地震での教訓を踏まえ、改めて災害時にどう地域を守れるか、防災士の活動スキームを詰める必要があると思う。歩いて数分の郵便局に行けば助かる、安心だという拠点価値を高められるとよい。

 ――改正郵政民営化法の見直しは、現場目線でどのように変えてほしいですか。
 勝又理事 郵便局ネットワークは社会基盤として未来永劫、残さなければいけない。しかし、自治体業務等の公的な仕事や地域貢献活動もボランティアでは企業として続けられず、収益確保も必要。公益性と収益性の両立を持続可能とする見直しが必要だと思う。

 ――全特名古屋総会への意気込みを。
 勝又理事 コロナ禍を経て、昨年約1600人が結集した初の沖縄での総会も素晴らしかったが、名古屋総会は約1万人の大規模開催のリスタート。「全特魂ここにあり」との思いを共有できる「記憶に残る総会」を目指している。
 岡松康仁実行委員長(愛知県担当理事/須ケ口)を中心に、4県全地区が何らかの関わりを持っておもてなしができるよう、全特としっかりコミュニケーションを取り、準備を進めている。