インタビュー 金城努 沖縄支社長

2023.11.17

 「私たちは『うちなーんちゅ(沖縄県民)の幸せ』に貢献します!!」との「うちな~郵政VISION2023」を掲げる沖縄支社(金城努支社長)は、特産品をPRする新商品の開発や、全国初の民間企業との協業による交通系ICカードのチャージ機の局設置、県の国保ヘルスアップ支援事業の「まちの保健室」実施など、自治体や企業・団体等と連携し、沖縄愛あふれる〝共創プラットフォーム〟を構築している。金城支社長は「支社・郵便局が同じベクトルで一緒に走っている姿は沖縄の特長。失敗を恐れず、果敢に挑戦することの大切さを伝えていきたい」と意欲満々だ。

同じベクトルで走る支社と郵便局を

 ――地元・沖縄からの支社長誕生に、現場の郵便局の方々からも喜びの声が聞かれます。
 金城支社長 沖縄出身で話しやすいということもあると思うが、経営管理本部長時代を含め、コロナの感染拡大の時も、毎年の台風の猛威の中も、皆と一緒に苦労を乗り越えてきた。支社と郵便局が同じベクトルで各施策に取り組み、皆が同じ方向を目指して一緒に走っている姿は、沖縄の特長だと思う。
 社員たちによく言うのは「失敗しても50点。何もしなかったら0点」。これは沖縄郵政管理事務所時代の所長に言われた言葉で、2回挑戦すれば、例え失敗しても〝100点〟だ。失敗を恐れず、果敢に挑戦することの大切さを伝えていきたい。

 ――ビジョンの一つに「うちな~郵政社員の幸せのために」を掲げられています。
 金城支社長 沖縄県民の幸せに貢献するためには、何よりも社員たちが幸せでなければならない。一人ひとりの働きやすさ、働きがい、信用・信頼、人財育成が重要。〝1人はみんなのために、みんなは一つの目的のために〟と取り組んでいる。
 郵便・物流事業では、ヤマト運輸様との協業を必ず成功させようと、社員の皆がプライドを持って準備を進めてきた。本社・支社・局が心を一つにして取り組み、現場の不安を解消しながら丁寧に推進していきたい。
 ゆうパック拡大は大きな課題だが、単マネ局・エリマネ局の連携をさらに深め、引き受けを1個でも増やしていきたい思いだ。
 金融営業では〝まごころ営業〟に励む中、8月からは土日祝日の金融相談会をスタートした。お客さまニーズにお応えしたもので、社員たちがやらされ感ではなく、自らやろうと積極的に取り組んでくれている。土日祝日のお客さまが多い商業施設内の局など、特徴を生かした金融相談会を増やしていきたい。

 ――民間企業との協業としては全国初となる交通系ICカード「OKICA」のチャージ機設置が、8月から開南局で始まりました。
 金城支社長 沖縄は電車がなく、公共交通機関はバス・モノレールが中心。私自身、バス通勤でOKICAを日常的に利用しているが、チャージする場所が少ない。バスの中でもできるが、降車を待つ人の目が気になってしまうとの声も聞く。チャージ機を郵便局に設置したら便利になるのではとの発想から、沖縄ICカード様との協議が始まった。
 実は数年前にも話があったが、当時の制度上の問題で実現できなかったようだ。〝失敗しても50点、何もしなかったら0点〟なのでチャレンジしたところ、制度的に可能だということで話が進み、本社の事業共創部からもサポートいただき、開始の運びとなった。
 沖縄ICカード様からは、利用状況を見て中部・北部地域でも検討したいとの話をいただいている。県民の皆さまの利便性が向上し、郵便局に足を運ぶ機会を増やしていただけるチャンスだ。ぜひ拡大し、郵便局ファンが1人でも増えるきっかけになればと思う。

 ――4局目の「まちの保健室」が8月から糸満局で実施され、週1回看護師が常駐して無料で健康相談や血圧・骨密度等の測定ができると大変好評です。
 金城支社長 沖縄は医療機関が少なく、重症化するまで受診しない方も多い。住民の方々が気軽に健康相談できる場をと、沖縄県・県看護協会・各自治体との協力で始まった。介護や子育ての相談もでき、関係機関につないでもらえる。
 利用者の方からは「郵便局は行きやすいので、開設してくれて良かった」等の声を多数いただいており、身近で温かい存在の郵便局の良さを生かせる施策だ。物販や金融相談とのマッチングも期待できる。

 ――買い物難民の課題解決や自治体との連携状況は。
 金城支社長 昨年、南城市の知念局の空きスペースを活用し、買い物サポートの実証実験を行った。約80名の利用者アンケートを基に検証し、南城市様からは、高齢者向けの食料品配達や重たい商品の配達サービスなどのご要望もいただいており、補助金等の活用も含めたサービスの提供を目指し、検討を重ねているところだ。
 昨年10月には、マイナンバーカードの申請支援を全自治体首長に提案し、与那原町様から受託した。沖縄県のマイナカード普及率は60.4%(9月末時点)と非常に低調なため、申請支援や電子証明書の更新業務等をお手伝いできればと思う。包括連携協定は18自治体と締結し、他の自治体とも協議を推進中。各市町村の課題やニーズを把握しながら連携を強めていきたい。

沖縄県民を幸せにする共創に挑戦

 ――地元企業との連携で新商品が続々と誕生しています。
 金城支社長 9月から販売開始となった「BOOK型泡盛」は、支社と北谷長老酒造工場様との連携で商品化できた。本型の外装の中にパウチで泡盛が入っており、ゆうパケット(税込み360円)で手軽に送れ、本棚にも陳列できるものだ。
 泡盛の出荷量が右肩下がりで、少しでも力になりたいと、郵便・物流営業室の上門正弥課長が苦労を重ねて開発に当たってくれた。10月17日の「沖縄そばの日」には第2弾となる「BOOK型沖縄そば」も発売を開始した。シリーズ化して、ヒット商品にできればと願っている。
 また、ソーエイドー35コーヒー様と開発した「35ハイビスカスティーレター」や「イオン琉球 ちむどんどん詰め合わせパック」第2弾も好評販売中。夏場のパインやマンゴー、冬場のメロンも人気が高いが、今年は台風6号の影響でお中元カタログの申し込みを早めに締め切ることになった。農産物は天候に左右されてしまうので、年間を通した特産品の全国展開も検討している。
 いずれも、企業や生産者と連携し、沖縄のPRのために何かお手伝いができないかとの発想から始まったものだ。郵便局を中心に沖縄全体で連携の輪が広がっており、〝共創プラットフォーム〟の一つの形だと思う。

 ――人材育成で心掛けていることは。
 金城支社長 社員たちは財産。「人財育成」を重要な柱の一つに掲げ、管理者の方々には一人ひとりを大切にするマネジメントをお願いしている。各種研修では、スキルだけでなく、ホスピタリティー(おもてなしの心)やリスキリング(新しいスキルの習得)向上にも取り組んでいる。8月には、採用2年目の社員を対象に渡嘉敷島で集合研修を開催した。同期の絆が強まり、相談相手も見つかったと喜びの声が上がっていた。
 離島勤務の社員にはリモートや地元での研修を充実させ、本島と同様の業務スキルが身に付けられるよう取り組んでいる。また、昨年度からは外務・内務・窓口社員も含めて希望者を募り、「うちな~郵政変革塾」を実施。塾生たちは新たな企画を立案し、実際にその施策を自治体等に掛け合うなど、大きく成長している。

 6、7年前からは、支社長の似顔絵の入った「嬉シ~サ~!カード」を活用した〝褒め活〟を実施している。何かで頑張った時には、このカードを渡して褒めてあげ、5枚たまると支社からお菓子セットなどを贈呈する。褒められた社員のモチベーションも上がり、渡す方もうれしい。皆が褒め合う職場風土になれば、悩みを抱えたとしても一人で悩まず、相談できる雰囲気にもなり、風通しが良くなる。
 各局でもお客さまにDM等を送付する際、「さんぐゎー」というススキの葉等をキュッと結んだ〝魔よけ〟のお守りを同封し喜んでいただくなど、創意工夫を重ねている。社員が沖縄県民の幸せのために貢献できるよう、私自身が先頭に立って取り組んでいきたい。