インタビュー 全国郵便局長会 髙島貞邦理事

2021.12.26

 郵便局ネットワークの価値ある将来像に向けて、地域創生・地方創生に懸命に取り組む姿を全国郵便局長会(末武晃会長)の髙島貞邦理事(東北地方会会長/大玉)に伺った。

郵便局の機能と理念を検証し、前へ

 ――自治体との包括連携協定が東北はまもなく100%になりそうですね。
 髙島理事 自治体と不法投棄や道路破損、見守りといった包括連携の基本三協定を円滑に運べるよう、局長会は会社の地公体担当者と共に、夫人会やOB会等とも連携し、強力に進めてきた。また、各地区の独自性を生かしながら公益事業やボランティア活動なども行っている。行政とのつながりは日頃の地域貢献のたまもの。地域貢献はかけがえのない企業財産であることを、今一度皆さんに理解していただきたい。
 ――東日本大震災から11年。復興に郵便局はどのように役立っていますか。
 髙島理事 震災以降、北は青森から南は福島まで、沿岸地帯を中心に東北地方会だけでも延べ数百回、数千人の局長が瓦礫の片付けなど、さまざまなボランティア活動に従事してきた。津波被害の復旧・復興は進んだが、原発事故の復旧は未だ道半ばの状態だ。福島県内の港も全て開業したものの、帰還困難地区や処理水の問題など課題は山積している。放射能の影響は40~50年ともいわれ、風評被害も残っている。そのような中にあって、郵便局の役割は幅広い。
 浪江町では今、町内の移動を容易にするスマートモビリティや住宅確保を目的とした空き家バンクの開設、見守り等を進めており、郵便局もそのお手伝いをしている。地域で問題となっていた空き家対策も郵便局長が自治体に働き掛けたものだ。今後も各地区が地域の要望を聞きながら継続して取り組むことが必要だし、局長会としても危機管理に継続的に取り組むことが重要だ。
 ――農業と郵便局との関係をどうご覧になられますか。
 髙島理事 実は私は農協出身。中期経営計画にある「共創プラットフォーム」は多様な企業等との連携が描かれているが、特に東北は地域性という点で農業との関わりを重視しなければいけない。会社も農協や漁協との連携を深める方針を打ち出している。農業を営む方々が高齢化し、後継者不足という問題を抱えている今こそ、地域の特産品や農産物等の販売にとどまらず、郵便局がどう関われば地域の農業を良くしていけるのかということを考えるべきで、商業や工業を含め、郵便局は地域における産業、文化、教育、歴史を築くプラットフォームの役目を果たさなければならない。
 ――郵便局ネットワークの将来像は。
 髙島理事 郵便局ネットワークは国民共有の財産であり、その維持は不可欠。単に収益だけを求めるのであれば採算が合わない郵便局は廃止されてしまう。しかし、郵便局が持つ特性、すなわち公益性と収益性を同時に達成する難しい機能は他の組織にはないため、郵便局の武器として使うべきだ。特性をどこまで強みにできるのかが重要だと思う。
 離島や山間僻地の2名局と、大都会の単マネ局の窓口では役割も違う。会社は将来それぞれがどのような役割を果たすべきかを議論して、機能の定義を作り、わかりやすく経営方針に示すべきだと思う。局長会としても、自分たちがどういう役割を果たせばよいか精査して検証し、次世代に継承することが今、求められる最大のテーマだろう。
 郵政事業は1871(明治4)年に前島密翁のもとで始まったが、2022(令和4)年と共通するのは明治と令和の〝4年〟。語呂合わせのようだが、来年は自らが考え、実行し、進む年として志新たに前に進みたい。飛躍の年ととらえ、将来像を皆で考えていきたい。