かんぽ生命、安定的な利益創出で増配へ

2022.06.27

 かんぽ生命の2022(令和4)年3月期決算は減収減益。個人保険の新契約年換算保険料は461億円(前期比50.7%増)と増加したものの、募集品質問題発生前の19年3月期比では86.9%減少している。第三分野の新契約年換算保険料は21億円(同49.0%増)となった。

千田社長「社員の経験、スキルをバランス良く評価」

 新契約が想定を下回ったことなどによる、保有契約の減少等に伴い保険関係損益が減少した一方で、順ざやが増加したため、基礎利益は前期を上回る4371億円(同151億円増)。また、キャピタル損益の改善等により、連結経常利益は3561億円(同103億円増)となり、キャピタル損益については価格変動準備金と相殺されるため、連結当期純利益は1580億円(同80億円減)を計上した。
 22年3月期の普通配当は当初の予定通り1株当たり90円とする。23年3月期はの普通配当は1株当たり92円とし、中間と期末の2回の配当を予定している。
 千田哲也社長は「新体制においては、社員一人一人の経験、スキル、能力をよく見て、バランス良く評価していきたい。新体制構築に伴う支出増加により今年度の利益水準はいったん下がるが、質を伴った営業推進を定着させていくことで中期経営計画の利益目標達成は可能と見込んでいる。安定的な利益創出を通じた増配、自社株買いなどの株主還元を実施していきたい」と意欲を示した。
 宮澤仁司常務執行役は「連結ソルベンシー・マージン比率は1045.5%(同75.7%減)と減少したが、引き続き十分な健全性を保っている」と述べた。