日本郵便 小池信也社長 新春インタビュー「地域に寄り添う〝コミュニティハブ〟に」

2026.01.19
――総合物流企業への道のりの展望をお教えください。
小池社長 日本郵便は「総合物流企業」として祖業であるラストワンマイルにとどまらず、企業間物流や国際物流までを一体化させ、利便性の高いサービスを提供している。日本郵便の小口配送・宅配に加え、国内の企業間物流はトナミホールディングスとJPロジスティクス、国際物流はトールホールディングス、EC物流ではJP楽天ロジスティクスとも協力し、一気通貫、シームレスなサプライチェーン構築を進めている。
 

地域に寄り添い、課題やニーズの把握を

 
2025(令和7)年10月にはロジスティードグループ様との資本業務提携し、顧客基盤の相互補完や拠点・車両の相互利活用、人材交流を通じた技術やノウハウの共有等のでさらなる企業価値向上に努めていく。総合物流事業を次期中期経営計画の骨子の一つと位置づけ、日本郵便グループ各社や外部パートナーとの強みを組み合わせ、お客さまに選ばれる〝質〟の高いサービスと収益貢献を実現したい。
 
楽天グループ様との連携はRFC(楽天フルフィルメントセンター)利用拡大とゆうパック等の利用拡大に向けて協力し、一定のシェアを維持している。
 
――「ぽすちょこ便」の広がりや今後の計画をお教えください。
小池社長 山形県で開始したぽすちょこ便はそのほか北海道、静岡県、奈良県、兵庫県、岡山県の6都道府県で提供中だ。拠点間配送車両の空スペースを活用し、市街地と中山間地域間でのネットスーパー商品配送や農作物地産地消配送の「新たな低コスト配送手段」等で活用いただいている。地方公共団体等と連携した買い物支援や地産地消を支援する配送手段等々、需要ある地域中心に展開を図りたい。
 
――「ゆうゆうポイント」の利用件数とお客さまとつながり、郵便局アプリとゆうちょアプリとのつながりへの展望もお教えください。
小池社長 「ゆうID」を軸に日本郵政グループ内のお客さまをつなぎ、利便性を高めることで多くの場面で利用いただけるようにしたい。「ゆうゆうポイント」は日常のさまざまなシーンで一層のお得感や利便性を実感いただけるよう取り組んでいる。付与方法拡充やご利用料金にポイントを充当する用途拡大など、ニーズに応じて幅広くポイントをお使いいただけるよう進め、ご利用件数は順調に増加している。「郵便局アプリ」は郵便・物流事業を中心にサービス改善を継続し、物販や金融サービスにつながるハブ機能となるような拡充も検討している。
 
――過疎地だけでなく、都心部も独居老人の方が増えています。郵便局のコミュニティ機能を高める計画は。
小池社長 人口減少など社会環境が大きく変化する中、公的サービス・生活サービスの利用が困難となる地域が生じ、総務省審議会の答申では、地公体や各種団体等のサービスを提供する「コミュニティハブ」の実現に向け、地域の信頼を得て運営される郵便局が重要な役割を果たしうると明記されている。
 
答申を踏まえた総務省「地域の持続可能性の確保に向けた郵便局の利活用推進事業」は今年度、郵便局の公共性や公益性を活かして郵便局を新たな行政や生活のサービス提供拠点とする実証事業を全国8地域で実施中だ。
 
日本郵政グループの次期中期経営計画骨子では地公体事務受託、地域ニーズに応じた買い物や移動支援、オンライン診療等の拡大を掲げている。郵便局が地域ニーズに応じたさまざまなサービス提供に取り組み、〝複合化〟することで「コミュニティハブ」の役割を担っていきたい。
 
――地公体業務を〝丸ごと受託〟し、ビジネスに発展させるやり方も子会社さまが頑張ってますが、郵便局の公的な持ち味のビジネス化についての評価や、そうした部分で郵便局長の方々に期待できる役目もお教えください。
小池社長 郵便局では従前から郵便、ゆうちょ、かんぽの三事業のほか、地公体によっては公的証明書の交付、マイナンバーカード関連事務などさまざまな行政事務を受託し、公的サービスを提供しながら地域の生活インフラの役割の一部を担っている。公的証明書交付、国民健康保険受付事務など通常は支所や出張所で行われる事務を包括的に受託する場合もある。地公体事務受託は住民の方々の利便増進に貢献するとともに収益向上につながる点でも意義は大きい。
 
日々、地公体や地域住民の方々と接する郵便局の局長や社員の皆さまにはその関係性を活かし、地域に寄り添い、課題やニーズを把握いただく役割を期待している。課題やニーズを支社や本社が受け止め、郵便局と一体となって実際の取組みにつなげていきたい。