〝人〟90歳の切手コレクター 髙橋道雄さん

2025.12.14

大阪市東住吉区の東住吉桑津一局(早田憲司局長)に毎週のように訪れる90歳の髙橋道雄さん。切手コレクション歴75年以上という筋金入りの切手コレクター。東住吉桑津一局・早田局長と局員の皆さんとはすっかり顔なじみで、窓口でのやり取りは「ご近所づきあい」のような和やかな雰囲気だ。

皆さまに見守られ、今日も郵便局へ

 局長は「10代の局員もいて、髙橋さんから見ればひ孫の世代。コレクションを見せていただいたりエピソードを伺ったり。話題は尽きない日々」とほほ笑む。髙橋さんも「局長さんも局員さんも皆さんとても親切です」と満足そうだ。1935(昭和10)年生まれの髙橋さんは高校生の頃に切手に興味を持ち始め、当時から郵便局に親しんできた。昭和20年代には郵便局友の会(現・JPペンフレンドクラブ)に入会し、日本国内だけでなく海外のペンフレンドとも切手交換を楽しんだという。
 髙橋さんが自宅から徒歩で10分ほどかけて郵便局を訪れるのは、新しい切手の発売日や、所有する切手を発送する日だ。パソコンを操作しネットオークションに出品し、発送まで全てご自身で作業されているが、当初は局員がサポートすることもあった。「高齢の方がスマートフォンを手に、送り状の印刷など迷われているときはご利用方法を教えて差し上げる」(局長談)。地域に寄り添う郵便局ならではの光景だ。
 切手を売る側の郵便局ではあるが、「切手ファン」の気持ちも伝わっている。切手コレクターにとって消印や切手を貼る台紙も楽しみの一つ。1970(昭和45)年大阪万博の切手台帳に、今年の大阪・関西万博のミャクミャク切手を横に貼り風景印を押印したいが行く機会がなく断念した髙橋さん。局長が「たまたま家族で万博に行くから」と押印を代行し、髙橋さんは大喜び。次は「令和8年8月8日」の消印を押す台紙をすでに用意している。
 局長は「切手も消印も、郵便局があってこそ楽しんでいただける。人生の長い時間を郵政とともに歩んでくださっている」と感慨深く語る。今後も「ご近所づきあい」は続きそうだ。

大阪90才コレクターお気に入りの切手