生きる!地域と 簡易局の2階に宿泊施設を併設 宮崎県日南市
簡易局の地域貢献と収益向上を目指す新たな取り組みとして、宮崎県に宿泊施設を併設した日南星倉簡易局(森優香局長)が昨年4月に再開し、1年が過ぎた。同局を運営する㈱ことろどの田鹿倫基社長らに簡易局の新たな可能性に懸ける想いを伺った。
地域住民の〝交流会〟を局内開催
局の外側から2階の宿泊施設「Post House Tuzuri」に上がると、白を基調としたすてきな空間が広がる。リビング、ベッドルーム、風呂場、洗面台、トイレなどを完備し、窓口を通さない無人チェックインで1日1組限定(素泊まり)。
再開のセレモニーには高橋透日南市長も出席して祝辞を述べ、釈迦尾ヶ野地区の西山末弘自治会長は「高齢者の要望に応えてもらって喜んでいる」と期待を寄せた。簡易局の立ち上げを行ったことろど社の内田真央CMOは「当初は簡易局のみでスタートして売店などの併設を考えていたが、この物件に巡り合えた。局員を募集する中、福岡県で郵便局関連の仕事を行っていた森さんが応募して日南市に移住し、現在は局長として頑張ってくれて感謝の思い」と笑顔で話す。
森局長の発案で、5月27日には地域住民の交流会が開催された。訪れた皆さんはお茶を飲みながらおしゃべりを楽しみ、「ここに簡易局ができて助かるわ」「近くにあってうれしい」と楽しいひとときを過ごした。森局長は「一人暮らしの方が多いので、地域の方同士が触れ合える場になれば」と期待を寄せる。
元日南市マーケティング専門官の田鹿社長は「再開前に地元の方から、簡易局が一時閉鎖してすごく不便になったと聞き、〝簡易局+α〟の組み合わせで地域の拠点にと考え、受託を決意した。当社は昨年から日本郵政グループの『ローカル共創イニシアティブ』3期生を受け入れ、新規ビジネス創出に取り組んでいる。簡易局を起点に、地域課題の解決に向けて挑戦していきたい」と意欲を示す。
田鹿社長からは局スペースを活用した体操教室やパブリックビューイングのモニター設置など、斬新なアイデアが飛び出した。〝共創〟による簡易局の新たなビジネスモデルの展開が期待されている。