かんぽ生命の産学金連携 ハーバード大学等が注目

2025.05.30

 かんぽ生命がサステナブル投資を推進するために昨年4月に立ち上げた「責任投資推進室」が着々と成果を挙げている。日本の大学への研究資金支援が世界的に少ないことから、同社がユニバーサルオーナーとして産学連携中心のイノベーションを生み出す投資活動はハーバード大学やオックスフォード大学から注目され、取材を受けたもようで、4月23日に行った「25年度資産運用方針説明会」で野村裕之執行役員兼運用企画部長が明らかにした。(写真はハーバード大学)

運用でサステナブルな日本を 野村裕之執行役員


 【記者説明会】
野村裕之執行役員 サステナブル投資はインパクト投資、産学連携を主にスタートした。大学が非常に新しい技術を持ち、さまざまな研究を進めているにもかかわらず、お金がなかなかつかない状況が見受けられた。
 米国等では金融と大学の距離が近く、大学に投資資金があることで学内のスタートアップが何年後かには大企業になることもある。
 日本も産学連携で金融と大学を近くするファンドに投資しようと狙いを定め、2022(令和4)年以来、慶應義塾、立命館、大阪大学と連携し、スタートアップに投資している。取り組みはハーバード大学やオックスフォード大学から「興味深いインパクト投資をしている」と評価いただき、取材も受けた。
 日本ではインパクト投資はスタートしたばかりだが、イノベーションを起こして日本の社会を良くする動きが評価され、3月には「フォーブスジャパン」の「インパクト・エコノミーの未来」を創る100人に、かんぽ生命から2人選ばれた(保険業界で最多)。東京大学産学協創推進本部と覚書も交わした。

早稲田大学とも連携協定

 かんぽ生命は4月25日、早稲田大学とも連携・協力に関する協定を締結。今後、早稲田大学の研究成果を活用したスタートアップへの資金供給に関する検討、金融教育・人材育成・人材交流等、価値共創の好循環の形成を目指していく。