ニューレジリエンスフォーラム 恵寿総合病院 神野正博理事長③
2024.11.27
ICTやDXの活用も重要だ。私たちの病院では、業務用スマートフォンだけでいろいろな仕事ができる仕組みをつくっておいた。また、四つの建物のうち、本館は免震だった。おかげで棚の物一つ落ちずに医療を継続できたが、他の三棟は天井が落ちるは水道管が破裂するは、ボイラーがひっくり返るはで大変なことになった。
免震構造で奇跡的に医療を継続
免震棟の地下には、どれだけ動いたかという記録版がある。南へ約20㌢㍍、ぐるぐるぐるぐる回ったのだが、これは能登半島地震の特徴でもある。私たちの病院は奇跡的にこれに耐えたのだった。
普通ならば、災害によって、平時に比べるとドンとサービスレベルは落ちて、そこから徐々に復旧させるということだが、医療は消防・警察などと同様に平時の医療を継続しながら、復旧もしながら、そして緊急医療もやらなきゃいけない。仕事量が大きく増大する。
「速やかな災害対策本部の設置」「指揮命令系統の一本化」「非常時とは常時ではない」との考え方が必要で、その中で使える資源をどう使うかという考え方が必要だと思う。