社員の〝元気〟は管理社員から 人事戦略改革 日本郵便
日本郵便の千田哲也社長の肝いりの一つ、「人事戦略改革」が着々と進んでいる。2024(令和6)年度は主に「社員一人一人が生き生きと働く」環境整備に向け、エリマネ局局長や単マネ局部長等の管理社員を元気にする「ミドルマネジメント層の改革」に重きを置き、上期は局ごとの実態調査を行ってきた。10月から調査結果を踏まえ、改善策を検討。管理社員を含め、社員一人一人の働きがいを高め、キャリア形成支援の基盤整備等も進めていく。
全員活き活き!エンゲージメント
日本郵便の人事戦略改革の24年度の主要取組項目は、①ES調査見直し(従業員エンゲージメント調査)②ミドルマネジメント層の改革③研修の見直し④キャリアパス(キャリアデザインガイドブック)⑤タレントマネジメントシステム(人材データベース)――の五つ。
全員が生き生きと働ける大目標に向かって、すでに23年度に社長通信や郵便局未来会議、目安箱などで「社内コミュニケーションの充実」を図ってきたが、24年度は社員を育てる管理社員にまずは元気になってもらおうと、業務負担を軽減するための調査を実施。管理社員が一人一人の部下と向き合う時間を創出する。
局長等が社員と向き合う時間創出も
成長につなげる評価をフィードバックし、ES調査を見直した「エンゲージメント調査」へ変革も(一部郵便局で試行済)。やりがいを持ち、職場に誇りを持って働けているかを、会社・個々の郵便局・業務内容・上司の4領域点で評価し、数値を〝見える化〟して改善する。一人を大事にすることで目標達成を目指す。
また、長所を引き出すために個々の得意分野や経験、業務等の人材データベース化に向けて、9月に社員申告書の電子申請を一部フロントラインで試行した。基盤整備等を行い、25年度以降に全社員で開始する。
日本郵便人事戦略部兼総務・人事部の宮鍋和幸課長(写真㊧)は「人事戦略改革も千田社長直下のPTだが、社長の思いも汲組みながら、人事として『ここを変えたら良くなる』部分を能動的に変えるチャンスをいただいた」と強調。橋本翔係長(同㊨)は「エンゲージメント調査を踏まえ、例えば、『うちの部会は、こうすればもっと良くなる』と見直すべき部分が明確になる。PDCAを回し、検証した上で経営層に相談し、進めていく」と意欲を示している。