〝お困りごと〟に郵便局を 総務省行政相談
9月・10月は「行政相談月間」――。総務省は地域に根差す郵便局の意見も生かしながら〝埋もれたお困りごと〟を探り、解決しようと9月18日、香川県高松市内で「地域のお困りごと解決に向けた懇談会」を開催した。総務省から竹内芳明事務次官が出席し、中山賢治局長(塩江)と村井俊之局長(安原)や行政相談委員、地域のキーパーソンらと意見交換を行った。四国行政評価支局の高田賀夫総務行政相談管理官が司会を務めた。
局長と懇談会 高松市塩江地区
懇談会では原岡正仁支所長が「現在、65歳以上が49.5%、70歳以上が29.8%と高齢化が進む中、土砂崩れなどの相談が多く危機感を感じる」と現状を報告。出席者からは今年4月から地域公共交通の「ことでんバス」が1日片道9便から3便に減便され、不便になったと悩む意見も上がった。
竹内事務次官は「公共の足がなくなった地域は全国的に増え、バスもタクシーもない地域の中には自動運転を自治体が用意し、民間がサポートする計画も出ている」と述べた。
一方、「地元の我々が一番急いでいるのは病院だ。老朽化して入院患者は受け入れてもらえず、外来だけ。高松市内の市民病院まで出向かなければならない。病院建設の計画も聞いているが、遅れている。町内にはスーパーもなく買い物が不便」との声が上がった。
竹内事務次官は「今、郵便局では無医村地区中心に郵便局のスペースに診療所を設置し、オンライン診療ができる形も始まった。買い物も郵便局に立ち寄った際にある種、コンビニのように買い物ができると望ましいのではないか」と提案した。
村井局長は「私の局は旧の道路に面し、分かりにくい。人口減少を背景に、来局いただけるお客さまが減っている上京を何とかしたい。郵便局に付加価値的な要素を付けて、町民の方が来局ついでに何かできるような形になるとありがたい」と語った。
竹内事務次官は懇談会後、「かがわDX Lab」も視察した。