期待される郵便局オンライン診療 長谷川議員が国会質問
長谷川英晴参議院議員は6月7日の参議院地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会で質問に立ち、郵便局のオンライン診療について、自見はなこ地方創生大臣や総務省の玉田康人総括審議官(当時は郵政行政部長)から有用性や期待感を聞き出した。
デジタルに不慣れな高齢者も安心
長谷川議員 総務省に郵便局のオンライン診療の実証実験の成果を伺いたい。
玉田康人総括審議官 総務省は2023(令和5)年度に石川県七尾市で郵便局におけるオンライン診療の実証を行った。
へき地にある郵便局のスペースにオンライン診療の環境が整ったブースを設置し、郵便局社員による機器操作等のサポートのもと、60~90歳代の患者11名に延べ13回、医療機関とのオンライン診療や薬局とのオンライン服薬指導を行った。
実証を通じ、へき地の患者の方は近隣の郵便局で受診でき、通院するよりも移動時間や交通費負担を大幅に軽減、郵便局での支払い手続きや処方薬剤の郵送も可能だったと好評価が得られた。
社員のサポートがあることでデジタルに不慣れな高齢者も心理面、実務面のハードルが低下した。
関係者の役割分担や費用負担の在り方を含め、さまざまな知見が得られ、へき地医療を補完する方策としての有用性への期待も示されている。
長谷川議員 昨年7月に閣議決定された第3次国土形成計画では、遠隔診療の普及を含めた質の高い医療の効率的な提供体制の確保や、将来の医療需要に応じた地域医療構想の実現を図ることが明記をされた。
地方では医師不足、バスの減便やタクシー会社の撤退が進み、公共交通機関が衰退。定期的に診療が必要な患者でも通院が困難な状況が顕著化し、医療アクセスが阻害されている。課題解決にはオンライン診療の活用が最適な解決策の一つであることは間違いない。
しかし、高齢者にとってシステム操作やインターネット環境接続などハードルも高い。全国に拠点を持つ郵便局は地域住民に身近な存在で、高齢者も安心して利用できる。
局窓口で社員のサポートを受けながらオンライン診療を受ける仕組みの構築は、地方の医療格差の是正に貢献できる。地方創生からの見解を。
自見はなこ地方創生大臣 郵便局社員の方々がサポートを行うことで、患者の方は安心してサポートを受けられ、本人確認や支払い手続きを郵便局で行うこともでき、へき地医療を補完する方策として大変有用だ。