公的業務は郵便局こそ 増田日本郵政社長
日本郵政の増田寬也社長は12月22日の記者会見で「12月18日にレベル3.5のドローン飛行を兵庫県豊岡市で実施。ACSLとのドローン物流専用機の実飛行を今年度中に披露できる」と明らかにした。一方、改正郵政民営化法見直し法案に関連し、郵便局ができる公的サービスについて「地方で担い手が少なくなった自治体等が取り扱う事務や公共性の高い業務は郵便局こそができる」と意欲を示した。金融2社の全株売却は「上乗せ規制があると十分な事業展開ができない」と語った。
ドローン物流専用機の実飛行を今年度中に
――郵便料金値上げの背景を。
増田社長 2022(令和4)年度の郵便事業収支の営業損益は、民営化後初の赤字を計上し、回復が見込めない。総務省に相談し、郵便料金の早期引き上げをお願いせざるを得ず、省令案の形で諮問された。①経営状況に応じて短期間に再度見直す②最小限の値上げ幅③分かりやすい料金――の三つの趣旨で定められたと承っている。利用者の方々にご負担をおかけするが、サービス持続にご理解をいただきたい。
――ヤマト運輸の荷物の移行状況と時間制社員の受け入れは。
増田社長 5段階で順次移行するネコポスの第1段階はスムーズだ。2月からダイレクトメール便が全量、日本郵便に来るため、滞りなく進めるように全力を挙げている。人員も必要になる。応募される方もいらっしゃると思う。公平な当社基準や条件を考えたい。
――郵政事業に関する法改正に向けて、郵便局ができる公的サービスとは。金融2社株式売却はどのようなお考えですか。(郵湧新報)
増田社長 資産を多く持つ不動産事業の強化と、地方で担い手の少なくなった自治体事務や周辺の公共性の高い業務は、全国ネットワークを持つ郵便局こそができる。工夫を凝らし、事業展開したい。金融株式は100%まで売ると上乗せ規制が外れる。上乗せ規制があると十分な事業展開ができない。上乗せ規制をなくすことを最重視したい。