ゆうちょ銀行 定時株主総会
6月20日に行われたゆうちょ銀行の第17期定時株主総会で、議長を務めた池田憲人取締役兼代表執行役社長は「2022(令和4)年度は通期業績予想を上回り、約101.5%の達成率となった。三つの成長エンジンと位置付ける『リテールビジネス』『マーケットビジネス』『Σビジネス』において、持続的な企業価値向上に向けた取り組みを進めてきた」と強調した。(※肩書は株主総会当時)
リアル×デジタル相互に力発揮
22年度は口座開設などの取引を行えるセルフ型営業店端末「Madotab」を全直営店に配備し、通帳繰越機能付きATMの配備を推進。キャッシュカード一体型のVisaデビットカード「ゆうちょデビット」や、最適な運用ポートフォリオを提案する「ゆうちょファンドラップ」の提供を開始した。22年度の配当は1株当たり50円。
株主からの「デジタル化の状況は」との事前質問に対し、池田社長は「ゆうちょ通帳アプリの登録口座数は22年度末で745万口座に達し、家計簿アプリ『ゆうちょレコ』のサービス等を開始した。グループの強みであるリアルな店舗ネットワークを生かしつつ、お客さまニーズに合った最適なサービスを提供する」と述べた。
会場からの「銀行店舗の統廃合については」には、矢野晴巳執行役副社長が「店舗やATMチャネルは重要。店舗窓口、窓口タブレット、ATM、デジタルサービスとそろえた上で、店舗社員が丁寧にサポートし、高齢者を含め全てのお客さまが安心してご利用いただけるよう、リアルとデジタルの相互補完を通じたゆうちょらしいやり方に努める」と答えた。
「硬貨の取扱料金について」には、奈倉忍常務執行役が「硬貨による預入が増え、多額のコストがかかっている。小さな郵便局等では要員も機器も限られ、他のお客さまを長時間待たせしてしまうこともあり、サービスの対価として料金を頂戴している。1回当たり50枚までの硬貨については従来通り、料金等はいただかずに対応する」と語った。
池田社長が「お客さまをお待たせしないのが銀行の前提。できるだけご不便がないよう、弾力的に取り組んでいきたい」と加えた。
「フィッシング詐欺対策は」には、萩野善教前執行役副社長が「最新の情報を常にフォローし、日夜対策を行っている。油断なく、常に切磋琢磨していきたい」と強調した。
リテール強化と新Σビジネスも
池田社長は「最大の収益源泉であるマーケットビジネスで着実に利益の確保に努めるとともに、リテールビジネスのさらなる強化と、新たな成長エンジンであるΣビジネスでの基盤確立に注力していく」と意欲を示した。
新任含む取締役14人を選任。ライブ配信の総視聴数は989人、同時最高視聴者数は538人、来場株主数は286人だった。