局内での買い物サポート実証結果 沖縄支社 自治体と共創必要
沖縄県南城市知念地区内で昨秋、約2カ月間知念局で実施された「郵便局の空きスペースを活用した買い物サポートの実証実験」の結果が明らかになった。久田雅嗣沖縄支社長は「納品や在庫管理、決済等は郵便局単独では持ち出しになるため、自治体と連携し何らか支援いただき、改善できれば実装の可能性はある」と語る。
「まちの保健室」の取り組みが好事例
沖縄支社は厚生労働省が2021(令和3)年度に実施した「国民健康保険における予防・健康づくりに関する調査分析事業」において、羽地局の「まちの保健室」の取り組みが好事例に選ばれている。
知念局内にローソン商品
小腹満足商品にニーズあり
知念局で昨年10・11月に行われた実証実験は、知念地区にはスーパーもコンビニもなく過疎化が進む中でベストな買い物の形を作れないかと久田支社長が発案し、2~3カ月準備が重ねられた。イオンやデパートリウボウ、ファミマやローソン等に当たる中で、知念局の近隣ではないが、ローソン沖縄(中西淳社長)の高良二丁目店(具志寛康オーナー)が協力を承諾した。
久田支社長は「ローソン様のご協力に感謝している。関東支社(茂木孝之支社長)管内でファミリーマートと共創し、商品陳列棚を局内に設置した柴崎局(2名局)のような形ができないかを相談すると、近くに同列店舗がなければ日々の納品も難しいことがわかった。納品費用や陳列を誰が担うか、決済などさまざまな課題が見えた。しかし、どうにか突破したいと思い、これまでも郵便局で実施したことのある無人販売スタイルで週1の納品で実証を開始した。
また、南城市に実証実験を視察いただき、今後の過疎地での買い物支援と郵便局の役割を検討する橋掛かりにしたい」と強調。
約100商品を販売する中、行ったアンケート調査では、小腹が空いた時に好まれる菓子パンや菓子類が特にニーズが高かったようだ。
久田雅嗣支社長は「お客さまは50代超の方が多かったが、菓子パンや菓子類が最終的にはよく売れた。卵や野菜も地元産の品質の良いものを置いたため、若干高くしたが、売れた。日用品は意外に売れなかったため、まとめてドラッグストアに買いに行かれる傾向にあると思った。コンビニレベルまで陳列でできるとよいが、それでもお客さまが日々の食事全てを満足できるかといえば、微妙。どうしても生鮮食品や冷凍食品が必須で、肉や魚は遠方のスーパーに購入に行かれる方がほとんどだ。スーパー並みの品揃えのためには冷蔵・冷凍施設も準備しなければ需要に完璧に応えるには難しい印象も受けた」と語る。
「決済も自動販売機は釣り銭の準備が必須。キャッシュレスを導入したいが、費用もかかることと、ご高齢の方は慣れていないため、全面的にそうするのはまだ難しいと思う。局窓口で支払いを承るには、さらに多岐にわたる調整が必要になる」などの課題を指摘している。