平塚市×南関東支社 市長と郵便局がほっとミーティング

2022.11.01

 神奈川県平塚市の落合克宏市長は、就任以来、市民との対話を続けている。高齢化率29%の市は地域包括ケアに注力すると同時に「子育てするなら平塚で」を掲げ、待機児童をなくし、「病児・病後児保育室」も作った。市と南関東支社(一木美穂支社長)の昨年3月の包括連携協定締結を機に神奈川県西部地区連絡会(石井浩之統括局長/平塚横内)が「市長と語ろう!ほっとミーティング」の郵便局バージョンを企画し、9月22日に実現。局長と社員計16人(傍聴含む)が温かく支え合い、〝住んで良かった〟と思えるまちづくりに向けて市長と1時間半対話した。司会は市市民情報・相談室の木村知広課長が務めた。

〝住んで良かった〟まちづくりを共に

 市長 七夕まつりは平塚が大空襲で焼け野原になった時に「復興祭」として始まった。コロナ禍で見合わせていたが、食べ歩きなし、露天商は入らない。立ち止まらずに純粋に飾りを楽しもうと3年ぶりに開催。親子連れなど80万人が来てくれ、子どもたちが喜ぶ姿に感動した。ごみは以前の40分の1だった。
 司会 マイナンバーカード(以下:マイナカード)に搭載される「電子証明書の発行・更新手続き」受託事務が平塚西局(岩瀬健太郎局長)で始まるが。
武井理枝主任(平塚西) 風光明媚な局周は高齢の方も多いが、東海大学も近く、老若問わず喜ばれると思う。
 市長 市はマイナカードの普及率が比較的高い。郵便局で事務をやっていただけることは非常にありがたい。平塚西局周の真田・北金目地区は若い層が増え、3年間で瑞穂小学校は三つの校舎を増築した。子育て世代も移住している。

 司会 コロナで飲食店中心に経済低迷が続き、キャッシュレス決済推進と消費喚起を兼ねた「ひらつか☆スターライトポイント」を発行した。郵便局のキャッシュレス普及具合は。
 川島祥美主任(山下) 山下局郵便窓口でキャッシュレス決済ができるようになった1年前、お客さまから「えっ? できるの」と喜ばれた。窓口でスマホのやり方を聞かれることがよくあるが、サポートすれば大丈夫。
 市長 「スターライトポイント」は2回実行し、26~30億円ほど経済活性を実現。住民の方も、店舗の方々にも効果があった。小中学校の子どもたちに1人1台タブレットで勉強してもらう「GIGAスクール構想」も進めている。

 司会 「スマートスピーカーを活用した郵便局のみまもりサービス」とは。
 蓮見健一局長(平塚田村) アレクサのように会話でき、音楽等も聴ける。見守りたいご家族宅に設置すれば健康状態等のデータも確認できる。各地で自治体さま方から高い評価をいただいている。緊急連絡にも活用でき、多忙な市職員の方々もお客さまと直接つながる。
 林勇局長(平塚吉沢) 7月に大阪の河内長野市とスマートスピーカーの契約を結ばせていただいた。食事、血圧をデータ化して把握する体調管理の介護予防を目的とされている。タブレットのようなスピーカーで体操動画等も見られ、家族同士が顔を見て会話ができる。
 長嶋美智子地方創生担当部長(南関東支社) 高齢者の方も最初は戸惑うが、実証実験が終わる時、システムを引き上げようとすると「寂しい」と皆さまおっしゃる。自治体と高齢者の方をつなぐ橋渡し。防災、介護予防、健康増進等さまざまな用途にお使いいただきたい。

 市長 平塚も今、スマートスピーカーの実証実験中。2011(平成23)年の就任直後に各自治会会長と話した時、孤独死が増えたと伺った。福祉の方に相談し、「お話し見守り歩数計」「在宅時緊急通報システム」を単身高齢者世帯で家族が離れている方たちに貸し出しているが、スマートスピーカーも素晴らしいため、本格導入を検討したい。デジタルと人による住民サービスを併用したい。郵便局も同じだと思う。情報を共有し、郵便局サービスと一緒に進めたい。
 石井統括局長 市制90年を祝したフレーム切手も七夕まつりであっという間に完売。切手という商品で全国のお客さまに七夕の素晴らしさを伝えられる。ぜひ継続願いたい。湘南ベルマーレさまとも包括連携協定を結ばせていただいたが、いずれ郵便局に湘南ベルマーレ商品も並べられるよう、協議を重ねたい。
 市長 郵便局は住民の生活、生き方の拠点となって働いていただいている。地域包括ケアを支える力として市制を応援いただきたい。一緒に温かく支え合う、〝住んで良かった〟と思えるまちづくりを進めてまいりたい。