GX、SDGsを先導、日本郵政グループ
JPビジョン2025に「2030(令和12)年度までに温室効果ガス排出量を19年度比46%削減」というSDGsの先導的な目標を掲げる日本郵政グループ各社が一層、グリーントランスフォーメーション(GX=脱炭素への転換で社会経済を変革)を強化している。日本郵政が初のグリーンボンドを発行するほか、日本郵便はEV導入の強化と同時に、先を見据えた水素燃料電池車導入に向けて自動車メーカー等と実験を計画。ゆうちょ銀行はサステナビリティ・ローンへの協調融資に初参加を決定した。
日本郵政 初のグリーンボンド発行
日本郵便 EV強化と水素時代の準備
ゆうちょ 初、サステナビリティローンに協調融資
日本郵政は7月25日、「サステナビリティファイナンス・フレームワーク」を策定し、同社初となる総額約300億円程度のESG債を発行すると発表した。
オンライン記者会見で、日本郵政経理・財務部の松永利朗担当部長から「資金はグリーンとソーシャルで地域に貢献するプロジェクトに使われる。蔵前一丁目開発事業や五反田計画など含めて、新しい価値創造を促す次世代のまちの拠点を目指す」と説明があった。
日本郵便は7月21日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/スマートモビリティ社会の構築プロジェクト」に、EV化などカーボンニュートラルに向けたエネルギーマネジメントシステムを構築する2事業が採択された。
集配車両EV化とともに、水素を燃料とする次世代型燃料電池車を自動車メーカーやインフラ事業者と三位一体でモデルを創る。2023(令和5)年から日本郵便輸送㈱と協力し、新東京局を起点に都内で積載重量約3㌧の小型水素燃料電池車を5台導入。25年以降は積載重量約10㌧の大型燃料電池車を4台ほど東京から大阪まで幹線運送に活用する。
ゆうちょ銀行は7月25日、三菱UFJ銀行が主幹事を務める三井不動産向け「サステナビリティ・リンク・ローン」の協調融資への参加を決定。持続可能な経済活動と成長を支援する。ゆうちょ初の環境ローン。ゆうちょ銀行市場・連携ファイナンス室の秋元修室長は「三井不動産がCO2排出量を評価し、格付け投資情報センターが第三者として精査する。環境に寄与する協調融資は特に増やしたい」と意欲を示した。