金子大臣 細やかに地域を守る 衆院総務委員会

2022.05.19

 衆議院総務委員会(赤羽一嘉委員長)が4月26日に開催され、自民党の保岡宏武衆議院議員が初質問に立ち、「自民党政策調査会の再犯防止推進特別委員会で、豊島区保護司会の山元俊一会長が区との連携を話されていた。区の分庁舎内に更生保護サポートセンターを設置したり、区の職員を保護司に委嘱したり、青少年相談や薬物依存プログラムのサポートセンターを区で実施するなど、保護司会と自治体の協力の好事例が挙がっていた。私の地元・鹿児島で唯一、地方再犯防止推進計画を策定しているのは奄美市。市長は保護司をされている。保護司や首長などマンパワーに依存する今のやり方では、早晩限界がくる。総務省も法務省と支援を進めることが肝要と思うが」とただした。

総務省「各自治体デジタル化推進へ、人材確保を支援」

 金子恭之総務大臣は「ご指摘の通り、国、自治体、保護司、民間団体等が連携することが重要と認識している。まずは、所管の法務省に国と地方の役割分担を踏まえて検討いただき、その上で総務省も法務省と連携し、しっかりと取り組んでいく」と答弁した。
 公明党の福重隆浩衆議院議員は「自治体の標準化システム導入やデータ移行に当たって、自治体の担当職員の業務負担が増加する。標準化を住民サービスの向上や業務効率化につなげるには、新たなICT知見を持つ自治体職員を持続的に育成する必要があるが」と問うた。
 総務省の馬場竹次郎審議官が「市区町村の外部デジタル人材の募集情報を収集の上、総務省HPで公表するとともに、協力企業に随時情報提供を実施。デジタル人材の育成はJ-LIS等と協力し、自治体職員が必要な知識を習得できるよう最新の動向を踏まえた研修を行い、充実を図っている。総務省は小規模団体含め、各自治体がデジタル化の推進に当たって必要な知見を持つ人材を確保・育成できるよう支援してまいりたい」と答えた。
 福重議員は「政府はマイナンバーカードを本年度中に国民全員への普及を目指されているが、生活に直結した問題のため、自治体に寄り添って推進いただきたい」と要望した。
国民民主党・無所属クラブの西岡秀子衆議院議員は「金子総務大臣が言われたように、地域で新たなニーズが生まれている。子どもたちの見守りや、高齢者の皆さまを見守って交流を続けることが防災・減災対策からも重要だが、地域格差が生じ、一層の支援が必要と思うが」と質問した。
 金子総務大臣は「市町村が自治体やNPO、企業等と連携し、取り組むことが重要。総務省は自治会等の地域でのつながりを基盤に多様な担い手による声掛け、見守りや買い物支援など共助活動を実践する地域運営組織の形成や運営に地方財政措置を講じている。今年度からは孤独・孤立対策として地域運営組織に市町村が支援できるよう、登下校時見守りや子ども食堂等の居場所づくり、交流の場の確保等に要する経費を支援する地方財政措置を講じ、引き続き多様な団体が連携し、コミュニティ―組織の形成、持続的な運営に向けた取り組みが進められるよう必要な支援を講じていく」と意向を示した。