池田社長とカタライブ!
ゆうちょ銀行本社のダイバーシティコミッティに公募で参加したメンバーが企画した「カタライブ~池田さんと話そう」――。2月21日に開催された初会合では、社長と社員の直接対話とともにアンケート機能や挙手ボタンを使い、その場で質問を受ける双方向のウェブ形式で開催された。
同行は2017(平成29)年度からフロントが一堂に会する「ダイバーシティZoomフォーラム」を積み重ねてきたが、今回はその本社版として、本社の自主的に手を挙げた社員約50名が参加。人生の先輩としての〝池田さん〟の情熱を、社員が垣間見ながら自らの糧にする絶好の機会となった。(一部を抜粋して紹介)
進化するゆうちょダイバーシティ
社員 池田さんがゆうちょ銀行にいらしてから一番印象に残ることは。
池田社長 お客さま本位のサービス改善を継続的に実践していくため、数年前から取り組み、投信販売における問題を契機として2020(令和元)年2月に立ち上げた「サービス向上委員会」だ。
委員会は、①お客さまニーズと違った商品を作っていないか②窓口は本当に今のままでよいか③現状の姿がゆうちょ銀行らしい姿か――を振り返り、お客さまの目線で改善していく三つの分科会がある。地道だが軌道に乗ってきた。まずは、お客さまにニコッと笑うことが大事だ。
社員 風土改革は何合目まで来たと思いますか。
池田社長 4合目までは届かず、3合目付近かな。6年前に当行に来て初めて社員の皆さんのところに行ったとき、全員起立して昔の軍隊のように見えた。皆がさまざま知恵を出して楽しく働ける明るい環境に変えたかった。
もう一つは「情報の隔離」を感じた。限られた部署だけで情報を回すのでなく、社内全体で情報を共有し、〝一心同体〟になれるかは組織の生命線。ゆうちょビジネスはリテールとホールセール。リテールで一番大切なことはお客さまからの〝信頼〟だ。信頼に基づくエールの結果、お金をいただける。
一方、ホールセールは有価証券ビジネス。6年前、収益の9割を占める運用はリスクの少ない国債中心だったが、このままでは持たないと約200兆円のうちの10兆円をプライベートエクイティと不動産運用に切り替えた。不動産はインフレに強い。5年間で1.5倍ほどになると想定したが、3倍になった。
社員 忘れないでほしい心構えとは。
池田社長 新設した人事のチャレンジ制度等に挑み、これだけは負けない各自のフィールドを築いてほしい。システムでも、営業でも何でもよい。そして、重要なことは仲間と信じ合うこと。巨大な組織だが、非常に可能性を秘めた企業体。他の銀行等とは異なる、ゆうちょらしいやり方で新たな文明を開化したい。特に13のエリア本部のマチオモイパワーを活用していきたい。
牧野洋子執行役 池田社長は変えるべきことを直感的に見抜かれる。週1回全役員と関係者で苦情対応状況報告を朝一番で聞き、経営視点で質問し、改善のフォロー確認も継続、すごいことだと思う。今、ゆうちょの文化は確実に変わりつつある。