日本郵便 2022年3月期第3四半期決算

2022.03.11

 日本郵便の第3四半期決算は減収増益。営業収益は2兆7584億円(前年同期比1451億円減)と、収益認識基準の適用に伴い、一部取引が総額ベースから純額ベースになった影響などで同5.0%減(為替影響による増収591億円を含む)の減収となった。

ゆうメール好調、国際物流が黒字化

 営業利益は国際物流事業が増益となったものの、郵便・物流事業と郵便局窓口事業の減益により、1194億円(同10億円減)と微減。経常利益も1137億円(同19億円減)と微減した。ただし、法人税等の減少により、純利益は851億円(同43億円増/5.4%増)を確保した。
 郵便・物流事業は減収減益。巣ごもり消費増の反動は続き、主力のゆうパック(ゆうパケット含む)が同10.9%減(ゆうパケットは同18.2%減)となった。一方、経済活動の持ち直しや大口顧客からのダイレクトメール等の差出増やワクチン接種券等、国際郵便引受再開の郵便増などを受け、ゆうメール(種別は荷物)は同2.3%増、郵便物も1.2%減と前年同期の7.8%減と比べて減り幅を大きく改善した。
 営業収益は荷物減により、1兆5234億円(同298億円減)。経費を抑えたが、営業利益712億円(同155億円減/17.9%減)と減益になった。
 郵便局窓口事業も減収減益。受託手数料が三事業合わせて同253億円減少(郵便14億円減、銀行86億円減、保険152億円減)し、減収。営業利益が290億円(同125億円減/30.3%減)の減益となった。
 その他営業収益は、物販事業が収益の一部を総額から純額に移行したことで、328億円(同567億円減)、不動産事業も259億円(同35億円減)。提携金融事業は59億円(同13億円減)と苦戦したが、これから改善に挑む見通し。
 国際物流事業は減収増益。営業損益が2億7700万豪㌦(同2億8700万豪㌦増)と黒字転換した。
 フォワーディング事業(貿易事務や輸送手配に付随し発生する専門業務)が貨物需要増とコンテナ船中心に需給ひっ迫による単価上昇に伴う増収が続く一方、ロジスティクス事業(輸送・倉庫管理や資源・政府分野の物流等サービス)のコロナ関連大口取扱減少やエクスプレス事業(速達便や貨物輸送サービス)譲渡に伴う収益剝落等が影響し、営業収益は64億1200万豪㌦(同11億8000万豪㌦減)の減収となった。
 日本郵便の三田彰子経理・財務部長は「ゆうパックは厳しい競争下にある。差し出し・受け取り利便の高いサービスとしてゆうパケットポスト等に取り組んでいるが、楽天グループや佐川急便との連携により、さらに荷物収益の需要拡大に取り組みたい」と説明した。