金融とがん教育、高校学習指導

2022.02.04

 時代の変化に即す教育に向けた新学習指導要領は、成人一歩手前、または成人になる高校生に本格的な「金融教育」を2022(令和4)年度から開始する。

生涯の生活設計を若年層から

 金融教育は、自立や意思決定内容を充実させ、「生涯の生活設計」を深めることを目指すもので、公正かつ自由な経済活動、福祉の向上に寄与するために政府や民間の担う役割を深めることを目的とした新科目「公共」のほか、「家庭科」にも盛り込んだ。「金融教育の出前授業」は横浜東部地区連絡会(串田明彦統括局長/横浜池辺)が6年ほど前から取り組み、全国に徐々に広がりつつある。
 高校生の新学習指導要領に基づき、家計管理などを教える「家庭科」の授業には裁縫や調理実習に加え、株式や債券、投資信託など基本的な金融商品の特徴も教える。主な金融商品のメリットやデメリットのほか、生涯のライフプランやリスク管理にも言及。各都道府県の教育委員会が教員への研修を実施している。
 一方、今春、同時に高校の新学習指導要領に盛り込まれる「がん教育」は、がん対策推進基本計画に「国は全国での実施状況を把握した上で、地域の実情に応じ、外部講師の活用体制を整備し、がん教育の充実に努める」方針が打ち出されたことを受け、文科省は「保健体育」に「がん教育」を明記。
 すでに中学は21年度から、高校は22年度入学生より「がん教育」を年次進行で開始する。周知と地域の実情に応じたがん教育取り組みの支援、全国のがん教育実施状況調査、がん教育研修会とシンポジウムを推進する。