〝新みまもり〟自治体向けに本格始動!
日本郵政の増田寬也社長は12月24日の記者会見で、スマートスピーカーを活用した新「郵便局のみまもりサービス」を地方自治体向けに本格始動すると発表。「中期経営計画『JPビジョン2025』では『人生100年時代にお客さまの〝一生〟を支える』と掲げている。自治体は高齢単身世帯が増える中で支える担い手不足により高齢の方の孤立化問題を抱える。第1弾の長野県大鹿村がうまくいけば全自治体に働き掛けたい」と意欲を示した。同日の会見では、日本郵政グループ社員が創る新Webメディア「JP CAST」1月オープンも紹介された。
人生100年時代の一生を支える
増田社長は「スマートスピーカー活用の郵便局のみまもりサービスは総務省や自治体、企業と連携しながら2019(令和元)年10月から岩手県遠野市、長野県大鹿村と南牧村、静岡県袋井市、長野県上松町、兵庫県神河町、広島県三次市で試行実施を重ねる中、顧客ニーズを取り入れ、日本郵便が独自に開発したアプリ機能を改善してきた。非対面・非接触のコミュニケーションを提供し、自治体が抱える諸課題解決に貢献したい」と強調した。
新サービスは、自治体や家族がスマートスピーカーを通じ、利用者の生活や服薬状況、食事、睡眠を画面上で確認でき、お知らせ等も一斉配信。ビデオ電話で顔を見ながらの対話のほか、ニュースやラジオなども利用でき、災害時の安否確認、災害情報入手や伝達にも役立つ。料金は利用者数や期間で異なるが、今後は高齢者向け住宅や不動産会社などの法人や個人向けの提供も進めていく。
新Webメディア「JP CAST」オープン
一方、「JP CAST」について増田社長は「CASTは出演者・放送局の意。約2万4000の郵便局、約40万人の社員には彩り豊かな情報が多い。社員自身が出演者となって自らの言葉でバラエティーに富んだ情報を全国に発信。郵政事業のニュース、地域貢献やSDGs、未来の郵便局の姿、社員紹介等に期待いただきたい」と報告した。
記者団の「今後、物流や物販事業なども活動目標を設ける考えは」には、「検討中。物流分野もどういう目標設定するか、年明け遅くない時期に決めたい」と方針を示した。「JPデジタルとゆうちょ銀行やかんぽ生命との連携は」には、「ゆうちょ銀行は楽天カードを作ったが、第2弾としての、ゆうちょカードを出せないかをJPデジタルと考えていく。かんぽ生命ともダイレクト保険などのアイデアがあるが、さまざま検討し、商品化したい」と明かした。
郵湧新報の「新みまもりサービスは全国の自治体に営業をかける方針か。画面上で対話できる同様の仕組みを一部金融営業等に活用される考えは」には、「大鹿村がうまくいけば全国の自治体に導入いただけるように働き掛けたい。画面を通じた応対は営業にも応用できる。リアルでお受けしてから、例えば、相続相談等を専門家につなげるにも有効。ご家族の期待に応えられるものにして、個人向けサービス販売にもつなげていきたい」と語った。