楽天スマホ販売局

2021.10.14

 3月に資本業務提携した楽天と日本郵政の最初の共同事業といえる郵便局内での楽天の携帯電話端末の試行販売が、8月でいったん終了した。楽天は、9月以降は4店舗に限定して無期限で対面式の販売を継続し、全国展開のための課題などを探る考えだ。

若い客層増、次の一手は?

 本郵政の増田寬也社長も「これまでの試行を評価して戦略を立てることになるだろう」と今後の販売に期待を示している。
 楽天が9月以降も携帯電話販売を継続するのは、深川局(東京都江東区)、新宿局(同新宿区)、さいたま中央局(さいたま市)、美浜局(千葉市)の4局。終了時期を定めずに継続的に営業を続ける。
 これらの局は6月から8月までの試行販売期間中も販売していたが、楽天関係者によれば、特別売り上げが良かった4局というわけではなく、「楽天のスタッフが販売の相談のためのテーブルを設置して長期間、営業をするに当たって、郵便局の通常業務の妨げにならないスペースを確保できることなどを加味して選んだ4局」という。
 試行販売は、継続販売が決まった4局も含めた東京、千葉、埼玉3都県の10局で行われた。
 期間中は、「セルフ契約」するためのタブレット端末を設置した無人のブースが設置された局と、仮設のテーブルを設置して楽天の販売スタッフが契約の手続きを行う有人ブースの2タイプの販売方法が採用されていた。
 楽天関係者によると、試行販売期間中は、郵便局の客層として想定していた高齢者だけではなく、20~40代の来店者も多く、6月の販売開始当初に比べて7月末時点では1週間当たりの契約獲得数が数倍になるなど、好調だったという。
 9月以降も販売を継続する4局では、デジタル化の普及に対する社会的なニーズが高まっていることも踏まえて、スマートフォン教室など販売以外の郵便局の利用法も楽天は検討するとみられる。(ジャーナリスト 大久保冨士鷹)