第16回JP労組全国大会

2023.08.04

 JP労組は6月14・15日の両日、沖縄県宣野湾市の沖縄コンベンションセンターで第16回定期全国大会を開催した。2023(令和5)~24年度の日本郵政グループの事業課題として「郵便局等の減少が加速していけばお客さまの利便性低下も招き、事業は縮小の一途をたどる。荷物分野の拡大とともに、デジタルとの融合を図りながら、公的役割を担い、地域のよりどころでもある郵便局の特性を生かした新規事業にも挑戦し、事業の持続性を見いだしていかなければならない」などの運動方針を明らかにした。

郵便局ネットワーク維持に挑む

 石川幸德中央執行委員長は「23春闘では、全世代へのベースアップ、全社員への一時金を勝ち取れた。コロナ禍で非対面・非接触の活動が続いたことを受け、職場に主軸においた活動サイクルへの見直しなど1年間議論を深めた『未来型創造プラン』の具現化を議論し、組織活性化を図りたい。太平洋戦争で壮絶な激戦地となった沖縄で平和の尊さを実感し合いたい」と力強く呼び掛けた。
 運動方針では、「会社は人件費削減を進め、時代変化に合わせた新たなシステム等への投資や施設拡充・改善等、必要な経費も抑制を図ってきた。しかし、単なるコスト削減だけでは社会の急速な変化に対応できない。今後は強みであり、財産である人財とネットワークを活用し、それらへの十分な投資を行い、収益を生み出す方策を具現化する必要がある」と大きな方針転換を求めている。
 また、「郵便局など事業所数を安易に減少させれば、仲間の働く場所を失うことに直結するだけでなく、グループの最大の強みである全国津々浦々に広がる有人拠点と、それらをつなぐネットワークを失う。収益を生み出すための資産を失う」と明記。荷物分野の拡大に向けては「郵便営業手当の見直し」にも取り組んでいる。
 大会では23春闘で、一般職と地域基幹職の格差是正に向けた「1・2級の統合の早期実現」のために、各種人事制度見直し等を議論すると会社から回答が得られたことなどのほか、自然災害に対する「JPソナエルプロジェクト」、福祉型労働運動として助け合う「JP smileプロジェクト」の共有も促された。
 石川委員長は「日本は12年連続で人口が減少し、減少数も年間75万人と、1950(昭和25)年以降最大の減少。それに伴う過疎化が進み、ユニバーサルサービスを担う郵便局ネットワークの維持が危ぶまれている。時代の転換点を迎えた今、政治の重要性が高まっている」と語り、次期参議院議員選挙で小沢雅仁参議院議員の擁立を決定したと報告した。