かんぽ生命 定時株主総会
6月19日に行われたかんぽ生命第17回定時株主総会で、議長を務めた千田哲也取締役兼代表執行役社長は「新しい営業体制の効果は徐々に表れているが、新契約年換算保険料(個人)は658億円と、緩やかな回復にとどまった。新契約のさらなる回復を目指し、持続的な成長につなげていく」と強調した。(※肩書は株主総会当時)
学資起点に営業底力の集結を
「2023(令和5)年度は、中長期的な営業力の底力をつけていく。社員一人一人の成果や活動を定量的に評価し、お客さまとの信頼関係を築く能力を〝見える化〟するとともに、手当等に反映していく。本社とフロントラインが一体で営業を推進する体制へと改革する」と意欲を示した。
保険サービスの充実については、「今年4月に学資保険を改定した。青壮年層の需要拡大につなげ、学資保険を起点に広げていきたい。郵便局やカスタマーセンターなどによる、きめ細やかで温かみのあるサポートを提供し、お客さまサービスの向上と業務の効率化等に取り組む」と語った。
ESG投資については引き続き、全資産を対象とし、社会課題解決へ貢献する。23年度の配当は1株当たり94円とする予定。
千田社長は「経営陣と社員が将来ビジョンを共有し、一人一人が働きがいを感じて成長する企業を目指す。人的資本への積極的な投資やガバナンス強化に取り組み、持続的な企業価値の向上を実現し、株主の皆さまの期待にお応えしていく」と意気込みを見せた。
監査委員長の鈴木雅子社外取締役は「募集品質に係る問題に関して、再発防止やお客さまの信頼回復に向けた取り組みが行われており、引き続き、注視していく」と報告した。
成長の要は郵便局との連携
株主からは事前質問が3問あった。「社長交代の経緯は」との質問に対し、指名委員長の原田一之社外取締役は「当社の発展・継続のためには日本郵便との連携は欠かせない。千田氏が日本郵便の社長となることは非常に意味がある。谷垣氏は当社役員経験もあり、営業改革にかける強い意思を確認できたため、社長候補者として決定した」と説明した。
「売上高の減少への対策は」には、大西徹常務執行役が「今年4月、5月は前年度の2倍超の販売を確保した。人材育成などに取り組み、営業活動のさらなる活性化に励んでいく」と答えた。「ダイバーシティの実現は」には、 立花淳専務執行役が「女性社員の階層別研修など中長期のキャリア形成を支援している。2030(令和12)年までに女性管理職比率30%(現在15.5%)を目標設定している」と報告した。
新任含む取締役11人が選任された。ライブ配信の総視聴数は322人、同時最高視聴者数は284人。来場株主数は93人だった。