増田日本郵政社長 公的に郵便局データ活用を
日本郵政の増田寬也社長は4月4日の記者会見で「データ活用が非常に重要。郵便局が取得するデータを、例えば災害時における活用等、公益性の高い多様なサービスを、郵便局を通して実現できるよう進めたい」と強調した。記者団の「総務省がまとめた『郵便局を活用した地方活性化方策』への所見を」との質問に答えたもので、「各局に周知し、自治体と郵便局の話し合いを活発に進められるよう取り組みたい」と意欲を示した。
「スポーツで地域貢献」の部署新設
増田社長は「総務省の地方活性化方策には、自治体等との連携による幅広い施策が盛り込まれ、グループが目指す〝共創プラットフォーム〟と方向性が一致。マイナンバーカード申請サポートやスマートスピーカーを活用したみまもりサービスや空き家みまもりなど実施中のものもある。包括連携協定を結ぶ自治体は44都道府県1389市区町村(※会見時)。精力的に協議を進めたい」と述べた。
また、本社に「スポーツ&コミュニケーション部」と「クライシスマネジメント統括部」の設置、ゆうちょ銀行基幹システム更改による5月2日深夜~6日早朝までのサービス休止、麹町局開発計画を発表。「集配機能を残す局建て替えと不動産開発を同時に行う初のプロジェクト。局ロビーとビル共用ロビーを一体化し、DX活用の『みらいの郵便局』を造り、太陽光発電設備や屋上緑化等も計画する」と説明した。
麹町局計画、局×ビルのロビー一体
記者団の「楽天グループとの業務提携の成果や評価は」には「最近の楽天のスーパーセール等で非常に多くの荷物が日本郵便に来ている。JP楽天ロジスティクスの荷物をさらに取り込み、ゆうパック増につなげたい。楽天からDXの人材を派遣いただいている。協力を進めていきたい」と方針を示した。
「ゆうちょ銀行株式の売却益の使途は」には「約1.2兆円強はDXや不動産投資等、社員負担を軽減する新サービスによるネットワーク維持や強化等、グループの成長につながる目的に使いたい。株主還元として自己株取得等にも使っていきたい」と答えた。
「エリマネ局との連携目的の地方本部長配置の評価を」「支社の人事調整役が担うより、コミュニケーションが図られつつある」と期待を寄せた。
郵湧新報の「①金融2社の株式保有ゼロを目指す改正民営化法のままではグループ一体は難しいとの声もあるが、法改正への思い等は②郵便局、ゆうちょ銀行、かんぽ生命のシステムを一体化する考えは」には「中計期間中に50%まで売却することを法律に沿って粛々と進める。考え方を整理しているわけではないが、今後、きちんと検討する必要はあると思う。ただ、100%売却となっても金融2社は郵便局抜きではやっていけないビジネスモデル。郵便局中心と社員が意識し、グループ一体の強みを発揮できる形にしたい。システムは無理に統合すると大変なことになるため、連携を強めたい。会社を超えてシナジー効果が出るサービスを考えたい」と語った。