新春インタビュー 日本郵政 増田寬也社長
――地方創生で特に力を入れていきたいことをお教えください。
増田社長 おめでとうございます。年末年始の繁忙期に尽力してくれた社員の皆さまに感謝申し上げたい。地方創生は、日本郵便を中心に自治体との連携を強化している。公的証明書の交付や国民年金関係の申請受付等、さまざまな自治体事務受託を郵便局窓口を通じ、地域住民の方々への行政サービス提供に積極的に取り組んでいる。タブレットを局窓口に設置し、住民の方のテレビ電話を通じた自治体職員への行政相談や、楽天グループ様と連携したデジタル支援事業等も年齢や場所を問わず、あらゆる人がデジタルを利用できる環境確保と同時に、住民の方の利便性向上に資する。さらに、マイナンバーカード申請支援等を進めることで普及促進を力強く後押ししたい。
自治体向けには「スマートスピーカーを活用した郵便局のみまもりサービス」の実装のほか、「空き家のみまもりサービス」も試行サービスとして2月から開始する。日本郵便と昨年11月末までに44都道府県と1363市町村と包括連携協定を締結できた。締結を機に自治体との関係をさらに強化し、地域の発展・活性化や住民の方々の利便性向上を進め、郵便局と地域の共生を図っていきたい。
みらいへ、マイナカード普及に貢献
――マイナカード普及に日本郵政グループとして力を入れていることは。
増田社長 日本郵便から全自治体へ郵便局への委託の提案をしたことで、今後もマイナカード申請サポートの受託数は増えるだろう。総務省から公募された「全国の携帯ショップのない市町村のマイナカード申請サポート事業」に日本郵便が応募し、選定事業者に決定した。全国で723の対象市町村の2294の郵便局で1月から3月末まで申請サポート事業に取り組んでいく。
併せてマイナカードの電子証明書関連事務も、現時点で6自治体から受託した。日本郵政グループとして地域におけるマイナカード普及促進にも貢献していきたい。マイナカードの交付事務自体は法律の関係上、現状は郵便局で実施できないが、今後は法律改正等により、郵便局でもできるようになれば、さらに普及に貢献できる。
――「みらいの郵便局」の進捗と展望をお教えください。
増田社長 日本郵政グループは「デジタル郵便局」構想の実現に向けて、DXをグループで一体的に推進している。「JPビジョン2025」にあるDX推進施策として、昨年7月から本社ビル1階にある大手町局で「みらいの郵便局」の実証実験を開始。「郵便窓口セルフレジ」やネットから混雑状況が分かる「デジタル発券機」のほか、「リモート相談ブース」等も設置し、試行中だ。
2023(令和5)年度からは、「みらいの郵便局」のコンセプトを体現した「モデル」となる郵便局を、都心部集客街、郊外集客街、住宅街、地方部といったマーケットごとに設置していきたい。「いつでも、どこでも」郵便局のサービスが受けられる「デジタル郵便局」と、約2万4000の拠点を持つ「安心と信頼」のリアルの郵便局ネットワークが融合することで、お客さまと地域に真にお役に立てるサービスが生まれてくるはずだ。
――局長や社員の方々への激励をお願いします。
増田社長 コロナ禍の中で社員の皆さんの真摯な取り組みに感謝申し上げたい。日本郵政グループがお客さまから信頼され、選ばれる存在、選ばれる郵便局になっていけるよう一緒に頑張っていきましょう。