インタビュー 全国郵便局長会 伊志嶺豊和理事

2023.12.22

 11月25日に結成70周年を迎えた全国郵便局長会(末武晃会長)の伊志嶺豊和理事(沖縄地方会会長/宮平)は「郵便局がお役に立てることはもっとある」と開拓の思いを語る。

郵便局を軸に幸せの〝共創〟を

 ――「全特結成70周年PT」座長として、今年は激務の一年だったと思います。
 伊志嶺理事 6月には全特結成70周年、沖縄地方会の全特加盟50周年を記念する通常総会を初めて沖縄の地で開催することができた。ご尽力いただいた関係者の皆さまに改めて感謝申し上げたい。
 1953(昭和28)年11月から数えて70年の佳節を迎えたが、先人のさまざまなご苦労があって、今がある。この70年の歴史を振り返りつつ、さらに10年、20年と前を向いて進んでいく大事な時を迎えていると思う。

 ――「地域貢献・地方創生専門委員会」主任理事と「中堅・若手代表者小委員会」の座長も務められています。
 伊志嶺理事 中堅・若手に関しては、中若代表者交歓研修が北海道、近畿、中国、九州と終わって一区切り着いたところ。中若の皆さんは将来、全特を背負って立つ方々だ。コロナ禍で、ここ3年ほどは集合研修がなかなか開催できなかったが、同じ志を持つ仲間が顔を合わせて意見を交わし、交流を図って絆を強めていくことは大変素晴らしいことだと思う。
 意見交換で各地方会、各地区会での取り組みを聞き、〝ああ、うちでもやってみたい〟と触発され、何かヒントを得たと思う。中でも、埼玉県の「狭山茶レター」に始まった〝お茶レター〟は地元企業や自治体等と協力した取り組みとして、「山口茶レター」や「静岡茶レター」、沖縄の「35コーヒーレター」「ハイビスカスティーレター」など広がりを見せており、さらに後押しをしていきたい。

 ――台風をはじめとした防災対策についての取り組みは。
 伊志嶺理事 この夏の台風6号は長期間、沖縄県周辺で停滞していたことから、予想を超えて被害が広がった。先頃は、國場幸之助国土交通副大臣(衆議院議員)を招き、台風被害と今後の防災対策について郵便局の声を伝える「意見交換会」を開催した。島々の被害状況や停電に備えた発電機・バッテリーの必要性、電線地中化などについて意見を交わす中、離島における郵便局の役割に大変期待を寄せていただいた。
 南大東島では、台風の発生時に地元の気象台が郵便局と沖縄本島の役員局長を結んでリモート会議を開催し、今後の予想等の情報を提供いただきながら対策を進めている。被害の状況はタブレット端末を活用して実際の動画の配信・確認も行っており、県民の安心・安全へ、さらに連携を深めていきたい。

 ――局内スペースを活用し、自治体や企業等と協力した施策が活発に行われています。
 伊志嶺理事 気軽に健康相談ができる「まちの保健室」は名護市、うるま市、本部町に続き、8月から糸満市でスタートした。多くの市町村から〝ぜひ、うちでもやりたい〟との声をいただいており、沖縄県と県看護協会、自治体と郵便局でしっかり協議を進めながら、さらなる拡大を検討している。
 無人販売も盛んで、地元の特産品のほか、玉子や野菜などを置いているところもある。農福連携による、障がい者の方々が作られた加工食品やジュース等も好評。また、「フードドライブ」も多くの局で実施して社会福祉協議会等に寄贈させていただくなど、沖縄の貧困解決に向けた一助となれば幸いだ。
 今、郵便局を軸に、県や企業・団体と連携した〝共創〟が大きく進んでいる。うちなーんちゅ(沖縄県民)の幸せのため、地域振興のため、郵便局がお役に立てることは、もっとあると思う。