インタビュー 矢部吉康 東北地方会副会長

2022.08.28

 東北地方会(髙島貞邦会長/大玉)の矢部吉康副会長(磐城熊倉)らに郵便局の現況や展望を伺ったところ、共通したのは、やはり〝リアル〟を置き去りにしてはならないことだった。

復興・発展の〝拠り所〟に

 ――東日本大震災から11年が経ち、被災した局舎の開局が相次いでいます。
 矢部副会長 津波で全壊した岩手県の陸前高田局(4月)、福島県の豊間局(5月)が再建され、念願の営業再開となった。地元の方々は郵便局が戻ってきたということで諸手を挙げて喜んでおられる。東北のさらなる復興・発展に向けて郵便局の存在は大きいと思う。
 地域の生産者や農協・漁協等と協力し、地元の特産品の販売・全国発送も活発だ。山形のサクランボや福島の桃をはじめ、東北には名産が多い。自治体とも連携を密にして地域を活性化させたい。

 ――リアルとデジタルの融合についてはどう思われますか。
 矢部副会長 リアルな郵便局が大前提。しかし、人手不足が叫ばれている中、人口減少も歯止めが掛かっていないので、このままではお客さま対応が難しくなってしまう。デジタル技術の活用が社員に負担を強いるのではなく、お客さまを大切にする方向に向かってほしい。先日、マイナンバーカードの申請支援業務が、東北でも山形市で始まった。郵便局が橋渡し役となる素晴らしい取り組みなので、さらに広げていきたい。

 ――今後の人材育成については。
 矢部副会長 日頃から管理者に対し、社員のことを思いやりながら仕事をしようと呼び掛けている。社員がいなければ郵便局は成り立たないし、社員を大切にしていけば、管理者を目指す人も増えていくと思う。
 私は生まれも育ちも福島県出身。関東支社でお世話になり、局長になって福島に戻ってきた。郵便局を〝拠り所〟として頼っていただいている方々のご期待に応えられるよう取り組んでいきたい。