中西総務副大臣、高知県東局を訪問

2022.05.02

 中西祐介総務副大臣は 3月 19 日、視察と意見交換を目的に高知東局を訪問した。年頭に元旦出発式に出席した折、四国支社の安達章支社長から「若手塾」の話を聞いた中西副大臣は、将来の郵便局や郵政事業の在り方を話し合う場への参加を願って実行。安達支社長はじめとする若手社員計10名と「高知県における地域課題と郵便局の関わり」「地域活性化に向けた取り組み」「将来の地域の姿と郵便局の役割」をテーマに活発な意見を交わした。(一部を抜粋して紹介)

〝郵便局の将来〟を現場の若手と議論

 中西副大臣 地域を維持する基礎インフラの一つは行政だが、もう一つは郵便局。10 年後、若手の皆さんが主軸となる時代でも郵政事業は欠かせない存在であり続ける。地域を回り、国全体で考えても郵政事業が不可欠と再認識した。
 森本課長代理(高知東局集配営業部) みまもりサービスなどもコロナ禍で訪問しにくいことが課題になっている。
 山下主任(高知東局窓口営業部) コロナ禍で外出をしない高齢者の方が増加し、窓口も高齢者の方を見掛けることは少なくなった。今までは外回りの社員がご自宅に伺い、契約手続なども行っていたが、今の社会情勢では訪問活動は難しい。窓口でカバーし、郵便局に相談して良かったと言ってもらえるように積極的に交流することが課題と思う。

 浦岡課長代理(天王NT局) 70 代の高齢者のみの世帯が多くなっている。そうした方々が頼りにしてくれるのが郵便局。 振り込め詐欺防止の注意喚起や、お客さまの相談事に乗る、行政への引き継ぎなどもしている。ただ、通常業務で人手や時間不足で積極的に関われない事例もある。
 藤川係長(支社総務・人事部) 地方都市の高齢化は大きな課題。高知県は高齢化ランク2位。郵便局は郡部で必要不可欠な存在。郵便・金融業務以外にも経済の活性化に寄与したい。無人販売など郵便局へ訪れることで新しい仕事ができると地域の事業者の方に考えてもらえるようになる地域への関わり方が大事だと思う。
 中西副大臣 徳島で農産物(ゆず)輸送の負担(トラック輸送の往復コストの採算が合わない)があるので、物流を手伝ってほしいとニーズがあった。地域の地場産業と組み合わせたものとなれば、地域は助かる。

 安達支社長  運送以外に日本郵便と取引のあるスーパーなどを紹介し、販路拡大に貢献できればと考えている。四国には素晴らしい特産品が多くある。
川田課長(高知東局郵便部) 高知県は地産地消で市場に卸すところが多い。しかし、生産の余剰分が発生することもあるので、近畿圏のスーパーに出荷することでフードロス改善に寄与している。値段も自由に設定できるため好評だ。
 岡林課長代理(高知東局集配営業部) 配達業務では一つ一つの郵便物は差出人の気持ちの込められたもののため、気持ちを込めて配達している。10 年後もそれを忘れず続けることが果たすべき役割と思う。
 古味社員(支社金融コンサル統括本部) 祖母が住む集落では移動スーパーが来て住民から喜ばれている。移動郵便局があってもよいと思う。
 中西副大臣  地域に住む世代の属性をデータ分析し、移動郵便局+移動スーパーとして地域にあったサービスを提供することもよい。
安達支社長 今は道案内をお願いされても顧客情報の観点から制約がある。
 岡林課長代理(高知東局郵便部) 道案内を求められることは配達の中、非常に多い。サービスとの線引きは非常に難しい。
 渡辺社員(支社総務・人事部)郵便局に来れば、自治体事務等含め何か問題が解決できる仕組みを作っていけば高齢化社会にもなじめる。楽天との業務提携も今は物を楽天で買い、配達は郵便局だが、将来は局窓口で物を買うことができたらよい。過疎地で配達員が現地に行った時など商品提案ができれば移動スーパー的な存在となる。全ての生活が郵便局で賄える存在になっていくべきだ。
 藤崎社員(支社総務・人事部)田舎の広い土地を活用し、郵便局と地域の触れ合いができる〝拠点〟、局と隣接するス ペース活用を想像している。高齢者の憩いの場、子どもの学習スペースや〝観光拠点〟の利用も面白い。
 中西副大臣 さまざまな機能が一体となった郵便局も面白い。良い立地に建てられている郵便局も多いため、土地の有効活用は名案だ。5G、6G の時代となる。以前の徳島視察でも内視鏡検査で遠隔検査を行う病院を視察したが、デジタル化や通信環境が整った時代を想定しつつ、郵政事業の展開を考えていただきたい。