防災拠点としての郵便局
静岡県伊豆市は伊豆半島の中央部に位置しており、面積は広く、全体的には過疎地域。地域にお住まいの方々の生活を支えることは郵便局の使命だと思う。そのために、地公体との包括連携協定締結に力を入れようと支社と共に働き掛け、伊豆半島内14市町村のうち、2021(令和3)年度末までに13市町村と締結した。
伊豆地区会会長/原保局・土屋範夫局長
今年2月15日に締結した伊豆市との包括連携協定は、その13番目になるが、協定の主体を「郵便局を防災拠点」と位置付けた内容が静岡県内初で新鮮だったことからテレビ等で大きく取り上げていただいた。
防災拠点となる修善寺局(神田泰彦局長)は郵便物の集配業務を扱っており、敷地も広い。郵便局の駐車場を使って災害時にはテントを張り、市の防災拠点として食品や支援物資等をそこで配ることに協力することが協定書のトップに掲げられた。
伊豆市役所は川を挟んだ向こう側にあるため、修善寺局の方が修善寺駅にも近い。地公体が防災拠点として郵便局を認定したケースは現段階では全国的にも少ないと思う。
実は、伊豆市との包括連携協定締結の打ち合わせは14市町村の中でも5番目ぐらいに始まっていたが、「これをやろう。いや、これは無理だ。では、これをやろうか」と中身を綿密に詰めていたら13番目になった。
伊豆市との打ち合わせは中身重視で臨んだため時間はかかったが、結果的に郵便局を防災拠点にすることができ、社会的にも注目を浴びた。現場の局長の粘り強い頑張りが成果を生んだ。
伊豆地区会としては、包括連携協定の推進にとどまらず、行政事務受託を通じ住民の方々へワンストップでサービスを届けたいとの思いも強い。地公体にとっても効率化は避けて通れない流れだと思う。
東伊豆町の町長が経費の節減に向け、支所の廃止に取り組まれているとの報道を見た私は、2019(令和元)年9月に「郵便局がお手伝いします」と働き掛けた。約1年かかったが、翌20年10月から熱川局(白塚理香局長)が全国で4番目に東伊豆町の行政事務受託を開始している。
また、地公体との連携の一環で、今年3月23日、NHK大河ドラマの「鎌倉殿の13人」の放送を記念し、フレーム切手を伊豆の国市に贈呈した。私たち郵便局は、今後もさまざまな角度から地公体との連携を深め、地域貢献と地方創生のお役に立っていきたい。